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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
番外編01?しばしの別れと新たな出会い
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撼させた《SAO事件》から時間はあっという間に過ぎ、四月になった。冬の寒さから春の暖かさがすっかり顔を出す月。――そして、私の誕生日がある月でもあった。
?その日、私は学校から直接病院に訪れていた。
?別に私は怪我をしている訳じゃないし、病気にかかっているわけでもない。お見舞いしたい相手がいるのだ。
?その病院はとても大きくて、私もお世話になったことのあるなかなか思い入れのあるところだった。すごく大きいのは、総合科だからかもしれない。とにかく大きい――それこそ何百人という人が入院できるほどに。
?病院に入って、受け付けに行かず、まっすぐ病室へ向かう。もう何十回と来たことのあるので、覚えてしまっている。
「あれ、夏菜?」
?目的の病室へ行く途中、そんな声が聞こえた。私は反射的に声がした方向に体を向ける。すると、少し離れた場所で知り合いの姿をとらえた。
?向こうは私だと確信したらしく、口許を笑わせながらこっちまで小走りで来る。
「久しぶりだね、夏菜!」
「ちょっ、一応ここ病院だから!」
「そういう夏菜の声も十分大きいわよ」
?近くにいた看護師さんに二人で怒られてしまった。おかしいな、私注意した方なのに。
?彼女の名前は、西村(にしむら)可憐(かれん)。私の一番付き合いの長い友達だ。
?きれいに手入れされている背中まで届く黒髪(今は括られてポニーテールになっている)と相手に活発な印象を与えるぱっちりと開いた眼が特徴で、性格もその容姿から与えられる印象とまったく同じだ。
?家が隣同士だということもあり、結構な頻度で顔を合わせているが、私と可憐では通っている学校が違うので、じっくりと話す機会はそうそうない。
?ちなみに私は家の近くにある進学高校、可憐は隣町にある実業高校に通っている。
「……いやぁ〜思ってた以上に怒られたね」
「まったく……気をつけてよね可憐」
「はいはーい」
?まったく気をつけている素振りを見せずに可憐は返事をする。
?本当に反省しているのだろうか……。すぐにスマホをいじり始めたし。
「夏菜もお見舞い?」
?いきなり投げられた質問に私は少し戸惑う。が、すぐに平静を装って応える。
「うん。そうだよ」
「実はわたしもなんだーえへへ!」
「だと思ってたわ……」
?その健康そうなのに来るとしたら、お見舞い以外にないでしょ。
「でも、可憐が来るなんて珍しいね。いつもあんまり来ないでしょ?」
「まあねー。そういうあんたはよく来てるらしいね〜」
「うん」
「ほんとよく来るわよね〜。感心しちゃうわ」
?まっ、とりあえず病室に行きましょ、と可憐が私の先を歩いてリードする。私もその後ろを続く。
?向かう病室は、三階にある奥から二番目の左側の部屋。そこに私と可憐がお見舞いする相手がいる。
「だけど、この
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