第四章
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「山分けってことでな」
「そういうことでな」
「今日は女房も皆頑張ってくれたな」
「そうだな」
まさに全員一丸となってというのだ。
「儲かったな」
「本当にな、ただな」
「ああ、お互いの娘はな」
「何処に行ったやら」
「本当に十ヶ月後かね」
またこのジョークを出した、そして。
ゴンガーザはペドロにだ、煙草の灰を一旦灰皿の上に落としてからそのうえでペドロにあらためて尋ねた。
「あるかもな。そっちの娘さんもう高校卒業しただろ」
「だから店で働いているんだよ」
「そうだな、うちもだよ」
「一緒だな、そこも」
「本当にな、ただな」
「今日は特別だからな」
「年頃の娘の彼氏とのデートなんぞ邪魔したら}
それこそと言うゴンガーザだった。
「馬に蹴られて死ぬぜ」
「ブラジルだとサンゴヘビに噛まれて死ぬか?」
「アナコンダに一飲みだろ」
「ピラノアの餌かもな」
「ジャガーが上から、もあるぜ」
アマゾンの話だった、どれも。流石はアマゾンの国だ。
「どっちにしろ人の恋路はな」
「例えそれが自分の娘でもな」
「相手の奴がとんでもない奴でない限りはな」
「邪魔したら駄目っていうのがな」
「ルールだからな」
こうしたことを話すのだった、そして。
あらためてだ、二人は打ち上げをしようとした。その場で自分達の酒や料理を出そうとしたのだ。だがここで。
二人の席に焼いたでかい肉とだ、ビンガが来た。その香辛料をふんだんに使いソースをかけた肉を見て。
二人は出された方を見るとだ、そこに。
長い白のオーバースカートにダークブルーの青の小さな花々と幾何学の模様が入ったスカートでだ、上は白の半袖で。それぞれ下から水色のインナーが見えている。 配色は同じだが細部はそれぞれの服で違っていた。
アクセサリーのネックレスはそれぞれ違っていた、ブレスレットもだ。一人は赤いビーズのネックレスで白いブレスレット、もう一人は白の貝殻のネックレスでブレスレットはゴールドだ。ペドロとゴンガーザはそれのドレス、まさにバイアーナドレスを着た二人の少女を見ていった。
「おい、まさか」
「御前達が持って来てくれたのか?」
「ええ、そうよ」
「お母さん達が焼いてくれたお肉を持って来たのよ」
その通りだとだ、少女達は笑って答えた。二人のそれぞれの娘達だ。
「遊びも終わったし」
「こうして最後位はって思ってね」
「それで戻って来たの」
「間に合ったかしら」
「まあな」
「間に合ったっていえば間に合ったさ」
二人はそれぞれ自分達より自分達の妻の若い頃そっくりの娘達に答えた。
「店はもう閉めたけれどな」
「俺達の打ち上げには間に合ったからな」
「間に合ったって言えば間に合った」
「そういうことにしておくさ」
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