第三章
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「可愛い娘と一緒にいた時にばったりでな」
「それで、か」
「ジャガーに襲われたのかって医者に言われたぜ」
「俺はピラニアだったぜ」
「おう、そっちも凄いな」
「よく生きてるなって言われたさ」
「俺もだよ」
このことは二人共だった。
「本当にな」
「いや、浮気はもう止めた方がいいな」
「ブラジルの女は怖いからな」
「すぐに怒るし怒ったら鬼だしな」
「本当に厄介だぜ」
ブラジルの女はというのだ、こうしたことを話したのだった。
そしてだった、二人はその祭りの時を迎えるのを待っていた。サルバドルの祭りは近付いていた。その祭りになると。
街は一張羅を着た男女で一杯になっていた、特に若い娘達がだった。
それぞれこの時の為に用意した服を着ている、ペドロとゴンガーザは二人で一緒に店を開いた。喫茶店と居酒屋共同でだ。
それで店を出した時にだ、ペドロは街を見つつゴンガーザに問うた。二人共今日は外に席を多く出して露天で商売をしている。
「それで御前さんの娘さんは何処だい?」
「さてな、今日は休めって言って出したらな」
「どっかに消えたか」
「今頃彼氏と一緒だろ」
「俺の娘と一緒だな」
「御前さんのところもか」
「ああ、そうだよ」
ペドロもゴンガーザに答えた。
「今日は店のことはいいって言ったらな」
「大喜びでだろ」
「出て行ってな」
そしてというのだ。
「それっきりだよ」
「今は彼氏のところにか」
「おかしなことしてないといいんだけれどな」
ペドロはその首を少し捻ってこうも言った。
「祭りだっていってもな」
「してないと思うか?」
「そこはもうそれこそな」
「神様だけが知ってるよな」
「そうだよ」
まさにというのだった。
「だから俺がここでまさかって思ってもな」
「現場にいないとな」
「どうしようもないからな」
それこそというのだ。
「俺だって若い頃はな」
「俺もだよ」
ペドロもゴンガーザもだった、このことについては。
「こうした時こそな」
「女の子と遊んだからな」
「だからあいつもな」
「ああ、性別は違ってもな」
この場合は相手になる、彼等にとっては。
「やることは同じだな」
「そういうことだな」
「それじゃあな」
「十ヶ月後、とかならないといいな」
「ははは、膨らんだ腹で結婚式の後な」
「そうならないことを祈るぜ」
「全くだ」
二人でブラックなジョークも飛ばした、そんな話をしつつ普段よりもさらに賑わっている街にだ。行き交う派手な服になった人達を見ていた。そろそろ開店の時だった。
その開店の準備を整えてだ、店を開くと。
客が待ってましたとばかりに席を埋めて注文してきた、二人にとっては戦いのはじまりだった。コーヒーに酒にスイー
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