第十八話。魔女の刻印《キスマーク》
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だろう。
だが、こっちの俺にはこれは悪手だ。
今の行為は俺を増長させるだけだからね。
欲しい。
……キリカが……欲しい。
……女が欲しい。
……音央が……。
……音央も俺の女だ。
……返せ。返せ……。
奪え。奪い返せ。
『俺の女を、記憶を奪い返せ』
(これは______ヒステリアベルセ??)
この身体の中央・中心が焼け付くような感覚に俺は覚えがあった。
これは______ヒステリア・ベルセ。
______女を奪うヒステリアモード。
だが、どうしてだ?
何で俺はベルセになったんだ?
ベルセは他の男に女を奪われた時に発現するヒステリアモードのはずだ。
今、俺の周りに男はいない。
だからなれないはずなのに……。
「ごめんね……モンジ君」
何でだ、何で謝る??
一体何をしたんだ、キリカは……。
「少し頭の中を弄らせて貰ったよ。
大丈夫。寝ればすぐに解るから」
「おい、キリカ」
問い詰めようとした俺だが、身体を動かせなかった。
気づいた時にはすでに、キリカの髪とは別の甘い香りが辺りに漂っていて、俺の頭の中はぼーっとしてきて、何も考えられなくなっていたからだ。
「それにしても……君にこんな能力があったなんてね。
教えてくれた教授には感謝しないといけないね。ねえ、モンジ君」
瞼が重くなり……。
「……気をつけてね」
「……待て……」
眠りに落ちる瞬間、キリカの心配そうな声が聞こえて。
俺は意識を失った。
2010年?月?日。夢の中で。
不意に目を覚ました場所は、物静かな和室だった。
なんとなく、いい夢を見ていた気がする。
夢の最後はなんだか怖かったような気もするが……。
だけど、それがどんな夢だったのかははっきりとは思い出せない。
体を起こしてみると、妙に体が軽い。
頭はすっきりしている。
目覚めは良好のようだ。
改めて辺りを見回すと、ふと、障子の向こう側が気になった。
そう言えば、こないだ……ご飯を食べた後。
何かあったような……。
俺が何かを思いだそうとした、その時だった。
「あの……」
背後から控えめな声がかかってきたので振り向くと、そこにはいつもの少女がいた。
濡れたような黒い髪が艶やかに輝き、着物姿が似合っている。
ただいつもと一つ違うのは、そこに浮かんでいる顔が普段の優しく穏やかなものではなく、とても……寂しそうな表情をしている事だ。
「どうかしたのか?」
心配になって尋ねてみると、彼女は弱々しく首を横に振った。
「いえ……どうして、来てくれたのかなと思いまして」
おずおずと上目遣いで俺
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