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101番目の舶ィ語
第十八話。魔女の刻印《キスマーク》
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「ふふふっ、なった(・・・)んだね、モンジ君?」

「ああ、まったく困った子猫ちゃんだ」

「子猫は甘えたがり屋だからね。
それより、ちゃんと自分の事とか、私達の事とか思い出せるか心配なんでしょ?」

「まあ、な。三度目は上手い事いったが、次も同じように思い出せる保障はないからね」

「記憶って曖昧だもんね。だから、記憶のエキスパートである魔女さんが、ちょっこと手伝ってあげるね?
ちょっと中腰になって?」

「ん? って、ちょっとキリカ??」

「よいしょっ、っと。ちゃんと支えてね?」

言われるままに、背中をガラスに預けて中腰になると、そんな俺にのしかかるように、キリカは自分の体を密着させてきた。

「俺じゃなければ襲われるよ、キリカ?」

体と体が密着しあい、顔と顔の距離が近い。非常にドキドキし放しな体勢だった。
密着しあう体でお互いの体温を感じて、キリカから非常にいい匂いもしてきた。
ドキドキし放しの俺に対してキリカは何も言わずに、潤んだ瞳で俺をじーっと見つめてきて、俺の頬に片手を添えると。
そのまま顔を近づけてきて……。

「……んっ」

「っ??」

俺の唇……のすぐ横に、口づけをしてきた。
ほんのちょっと、ほんのちょっとでも俺が頭を動かせば、すぐに唇のキスになる。
キリカの唇の柔らかさ、息遣い、髪の香り、肌の暖かさがすごく身近に感じて、頭の中が真っ白になりそうになった。

「……魔女のキスは……とても熱いんだよ……?」

キリカの囁き声が耳に届いてぞくぞくした。と、同時に背中がざわざわと騒いで、なんだか足が震えた。

「モンジ君が何かしたくなったら……好きにしていいんだからね?」

それは甘い、甘い誘惑だった。
こんな状態でしたくない男がいたら、それは神か仏だ。
キリカはそのまま、俺の首筋にキスをして……。
首の下に長い口づけをした。
そこが、とても熱くなると同時に、たまらない気持ちが溢れた。

「えへ、キスマークを作っちゃった」

「え、どこに??」

「ほら、ここ」

キリカが指でその場所を突いた。
ガラスに映る俺の、首筋に赤いアザが出来ていた。

「悪戯されちゃったんだな、俺」

「正にそういう事だね。嫌だった?」

「いや、嫌なわけないだろ。君のような綺麗な女の子にされるんなら本望さ」

「ふふっ、ありがとう」

クスクス笑うキリカの、その唇とても艶めかしい。
震える手でキリカを抱き締めて、その唇を貪りたくなる。
ああ、駄目だ……耐えられねえ。
キリカが……欲しい。
こんな美少女を前にして耐えられる男はいない。俺は神や仏じゃないから無理だ。
今の俺が普段の俺なら、その数少ない神や仏に例えられていた
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