5部分:第五章
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い顔で笑って言う。
「その御礼じゃよ」
「本当にいいんだよな」
「ただで」
老人に対して念を押して問う。
「わしは嘘はつかんよ。何せ」
「インディアン嘘つかないってか」
ヒスパニックの少年が懐かしい言葉を口にした。
「そういうことだよな」
「ははは、まあそういうところじゃ」
ヒスパニックの少年の言葉に機嫌をよくしたのか大きな口で笑う。その笑みは実に屈託がなくそれと共に人に好感を抱かせるものであった。
「しかしあれだよな」
「そうだよな」
少年達は笑顔で話し合う。見れば老人のそれと同じ笑顔になってきていた。
「そんな話聞くと」
「余計にな」
「もっと欲しいのかい?」
老人は彼等に問うた。
「その春が入ったポップコーン」
「ああ」
「もらえるかな、おかわり」
「ははは。勿論じゃ」
老人はまた笑って彼等に応えた。早速袋にポップコーンを入れていく。
「さあさあ食べておくれよどんどん」
「ああ、どんどんくれよ」
「腹一杯になるまでもらうぜ」
彼等はそのポップコーンをまた食べはじめた。それは何処か春の味がした。南風が吹いて彼等を優しく包み込んでいた。
シャンタウゼー 完
2007・9・1
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