parallel world7.5−『失われた13番目』−
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性格は、少しとはいえ『光闇』のアルマもイラついた。
「……で?こっちは忙しいんだ。用件を話せ」
「うん?ああ、いや、特に用件は無いよ?」
「……はぁ?」
ニコニコ、或いはニヤニヤといった擬音が似合いそうな笑顔で、何のためらいも無く『そいつ』は続ける。
「言ったろ?ちょっと興味が出ただけ。それ以上でもそれ以下でも無い。
僕は傍観を決め込むよ、あまりにも場違いな奴が来ない限りはね」
ニッコリと、憎たらしいを通り越して逆に清々しくなるような笑顔で『そいつ』は笑った。
「さて、残りの『登場人物』はまだ多いね、『彼』に早く書かせないと」
またもや意味不明な事を呟き、『そいつ』は振り向く。
その体は隙だらけだったが、何故か体がピクリとも動かない。
止められている感覚では無い。自ら止めているのだ。
脳が。
筋肉が。
骨が。
神経が。
全て『そいつ』の支配下に置かれている。
「そう怖い顔をしないで。言っただろ?介入する気はないよ」
「……逆に俺達が止めたい事を止めてくれりゃ、文句は無いんだが」
「そんな事しちゃ面白く無い。一瞬で片がつく。『閲覧者』も興醒めになるしね……っと」
軽く首を傾けこちらを向き、『そいつ』は締めくくるように言った。
「引き止めて悪かったね。引き続き作業を続けてくれ給え。因みに、僕の名はさっき言った通り、
『アルヴァート・ルーク・マレイド』だ。まあ他にも『ルーシクス』だの『アルマ』だの色々あるけど、
一番特殊な名で言えば−−『絶炎』−−かな?」
全てを。総てを見透かしたような瞳が、『光闇』のアルマを映す。
「それじゃあね、『4番目』のアルマ君。多分憶えていないだろうけど、『13番目』として、精々応援させて貰うよ」
そして、『それ』は消えた。
拙い。せめて、『3番』から『11番』には伝えなくては。あの『■■■』の存在を。
−−『■■■』……?
待て、奴は何と言っていた?何と名乗っていた?
−−奴?奴とはなんだ?
−−そもそも……
−−『何かあった訳でも無いのに』、何故こんなにも自分は焦っている?
そんな疑問は誰も答える事無く、そして直ぐに忘れられた。
世界転生まで、あと■■時間。
《滅びの依り代》の完成まで、あと■■時間。
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