本編
第二十話 とある戦線の物語1
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している。
そして今は軽い休憩を取った後各部隊の指揮官を集めて会議を行っている。
全員が集まったことを確認すると副司令官のヨルーファ少将が話し始めた。
「現在の我々の残存兵力は飛空艦艇63隻。地上部隊6個歩兵旅団、3個戦車連隊と1個戦車大隊、4個砲兵旅団、1個機械化旅団・・です」
この言葉に皆が沈黙した。
当初は36万人もいた守備部隊が今では13万9千人、およそ3分の1だ。
補給や整備等が終わるのは明日の朝8時、ガルメチアス軍は恐らく12時頃。そして援軍が来るのは明後日の夕方頃。1日半今の戦力で守りきらなければならない。
「現在の市民の避難状況は?」
地上部隊司令官のローザスが質問してきた。今度は避難誘導の指揮を執っているトリトルン中佐が席を立ち放し始めた。
「現在、約50パーセントの避難が完了しております。しかし、この町は高齢者も多く、予定時間を超える可能性があります」
ローザスが唸り声をあげた。この50パーセントという数字の中に高齢者はあまり含まれていない。中にはこの土地からは逃げるつもりはないというものもいる。港からは輸送船や民間船で避難するのだが、そこまで行くのが高齢者には結構きつい。足腰を痛めているものも多く、今前のようにはいかないだろう。
「軍用のトラックも総動員してかまわない。できるだけ急がせろ」
俺はそう避難誘導のを指揮するトリトルン中佐に言った。
「あと1日半ここにある戦力で守りきらなければならない」
これは皆が知っているが改めて言うと皆絶望的な顔をした。俺はこれを無視して話を続けた。
「まず飛空艦隊は装甲を厚い艦艇を外側に紡錘陣を作り出来る限り敵の攻撃に耐える。地上部隊は今まで通り山道や渓谷を利用して迎撃してくれ」
俺が言うと皆が傾いた。
「では各指揮官で協議して防衛作戦を立案にとりかかってくれ」
皆が立ち上がって敬礼し、会議室から出て行った。
「さて・・・死神が先か・・援軍が先か・・・これは接戦だな・・」
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