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処女神の恋
5部分:第五章
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心を支配していた。
(そうはさせるか)
 彼がそう思うのは必然であった。兄として、そして男として。
 だが彼が直接手を下すわけにはいかなかった。そうすれば怪しまれる。ではどうすればいいか。それが問題であったのだ。
 しかしこれといって手段が思い浮かばない。オリオーンは強く、そしてアルテミスが常に側にいる。刺客を送ろうにも毒を盛ろうにもそれは不可能な状況であった。正直手がないように見えた。


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