第四章
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「あと髪の毛もよ、伸ばすのはいいけれど」
「似合ってるでしょ」
「そんな日本のお姫様みたいな髪型にしたら暑くて当然よ」
スー=チーは見事な黒のロングヘアだ、これが自慢でもある。しかし母は彼女のその自慢のロングヘアにも言うのだった。
「切りたくないわよね」
「絶対にね」
「じゃあ上に上げてお団子にしなさい」
これが母の提案だった。
「そっちの方がずっと涼しいわよ」
「そうなのね」
「そんなに暑いのが嫌なら」
それこそというのだ。
「わかったわね」
「わかったわ、じゃあロンジー着てね」
「そう、黒髪を上でお団子にして」
「それで帽子を被って」
「しっかりすればいいのよ」
こう言うのだった。
「これで随分違うわよ」
「わかったわ、じゃあロンジーを着てね」
「髪の毛をお団子にしてね」
「帽子株ってみるわ」
こうしてだった、スー=チーは母からそのお下がりのロンジーを貰った。上着は白の長袖の薄い生地のものでだ、
下はくるぶしまでの巻き付ける様な形の淡い黄色の波模様のスカートだった。それがロンジーであった。
そのロンジーを穿いて身体にフィットさせて着てみた、それから。
髪の毛は団子にしてみた、するとだった。
「あっ、何かね」
「違うでしょ」
「ええ、随分涼しいわ」
本当にとだ、スー=チーは母に答えた。
「全然違うわ」
「だから言ったでしょ、あんたのその格好自体にね」
「問題があったのね」
「昔は皆そうした格好だったのよ」
「ロンジー着てそして」
「髪の毛もまとめていたのよ」
そうだったというのだ。
「全く、お洒落もいいけれどね」
「工夫しないとなのね」
「暑くて困るわよ」
これまでのスー=チーの様にというのだ。
「扇風機にあたってばかりでアイスやジュースばかりだとね」
「かえってよくないのね」
「身体にあまりよくないわよ、だからね」
「まずは服からなのね」
「それと髪型よ。わかったわね」
「よくね」
「帽子もあげるから」
母は娘にその帽子のことも言った。
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