おまけ最終話『SUKIYAKI』
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いや、こっちの話だ。4皇のシャンクスが出てきてな、その場を仲裁していった」
「……あー、へー」
自分で聞いておいて、それはどうなんだ? と第3者がいれば思うであろうハントの態度だがエースはそれを気にするそぶりも見せず、溜息を落としてハントが横になっているベッドの脇へと腰を下ろし、小さくつぶやく。
「すまねぇ」
「……?」
いきなりの謝罪。
ハントは訳が分からずにゆっくりと首をかしげる。
「お前があんだけ踏ん張ってくれたのに……俺はオヤジを守れなかった」
肩を震わせて、涙声で。
自分の不甲斐なさと、オヤジを失った悲しさと、誰よりも尽力したハントへの申し訳なさ。きっとそれ以外にも様々な感情をエースは抱いているのだろう。背中をハントへと向けたまま、トレードマークの帽子で顔に隠したまま、何度も何度も「すまねぇ」と繰り返す。
まるで小さな迷子であるかのように震えるエースに、ハントもまた小さな声で「謝るのはこっちだ」と小さな声を漏らす。
「……?」
その言葉の意味をとらえきれず、エースの動きが止まった。
「俺も、俺のほうこそお前のオヤジを守り切れなくてごめん……俺がもっと最強だったら、ガープも大将も一発でぶっとばせるぐらい強かったらきっとこんなことにならなかったのに」」
淡々と、だが声色には確かに真摯なる想いを込めて。ハントもまたエースへと謝罪と後悔の言葉をぶつける。
「いや、お前はよくやったさ。俺がもっとしっかりしてれば――」
しかしエースはエースで、やはり自分のせいだと首を落とす。
「――いやお前よりも俺がもっと……」
ハントも当然、自分のせいだと首を落とし――
「いや、俺だ」
「いいや俺だ」
「いやいや俺だ」
「いやいやいや俺だ」
自分の非だと言い張る二人が何度も何度も首を振り、そして――
「――ああっ!?」
二人の視線がぶつかった。
ほんの一瞬前まであった二人の沈痛な空気はどこへやら、いつの間にやらいつもの張り合いが繰り広げられることとなってしまっていた。結局、この二人はこうやって意地をはり続けることが二人にとって最も良い薬なのかもしれない。
第3者の介入がなければいつまでも続くかもしれなかったはずのこの無駄な意地の張り合いは、突如として歪んだハントの顔により終わりを迎えることとなった。
「――っ」
「ハント!」
「……声出しただけなんだけど……体が……きし、む」
息を切らせて、さっきまでの心痛の時とは少し違う。単純な肉体の痛みにより顔をしかめるその姿を見れば当然だが、まだハントは今日目を覚ましたばかり。それでむしろなぜ無駄に意地を張ったんだろうかと、ここに冷静な人間がいれば呟いてい
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