おまけ8話『新たなる火が灯る日』
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しげにルフィを背負った状態で撤退しようとするのだが、ここでまた一人別の頑固者がその足を止めていた。
「……エース?」
ジンベエに背負われたルフィがエースが動いていないことに気づいて、声を漏らした。もちろん、その声にでジンベエもまたエースが足を止めていることに気づいた。
「……エースさん?」
二人の呼び声に、エースは俯いたままで、言う。
「ジンベエ、弟を頼む」
「……?」
その言葉の意味を、ジンベエとルフィが理解しかねて同時に首を傾げて、だがすぐに二人は気づいた。
「エースさん!?」
「エース!?」
止めようとする二人の言葉。
ジンベエがそれをさせまいと腕を伸ばすも、エースは火となってその場から消え失せる。
「俺もハントと一緒に戦う」
半ば呆然と、ジンベエとルフィがその場に立ち尽くすこととなった。
「お願いだから、白ひげさん! この場を俺に任せてください……俺は死なない! あんたも死なない! エースも当然逃げ切る! 俺がそれをやってみせる! だから、頼む!」
白ひげさんに頭を下げる。
まだ海軍には二人の大将、ガープさんたち、七武海のやつらっていう強敵がいっぱいいる。さすがにそれだけの難敵相手に勝てるなんて言えるほど、俺は無謀じゃない。
けど、今の俺は強い……だから簡単には負けない自信がある。時間だけ稼いで、最後は海に逃げ込めば俺の勝ちだ。
たったそれだけのことだ。
「……」
白ひげさんからの返事はまだない。さっきからずっと沈黙したままこっちを見てる。
鬼瓦正拳で一瞬だけ周囲の海兵たちを吹き飛ばしたから今はまだこうやって白ひげさんと会話できてるけど、また海兵たちが大群で迫ってきてる。こうやって頭を下げていられる時間はあんまりない。
正直なところ、俺が白ひげさんの命令に従わなかったように、白ひげさんが俺の言葉にすんなりと頷くとは思っていない。だって相手は大海賊の白ひげさんだ、俺みたいな小物の意見をすんなり受け入れる、なんてことのほうが俺は驚く。
だから、多分全力で却下される……って思ってたけど、俺の予想とは少し違う答えが返ってきた。
「お前の言いたいことはわかった……確かに俺ぁオヤジとしちゃ失格かもしれねぇ……だが、だからといってお前一人じゃセンゴクからは逃げ切れねぇぞ。ハント、まだお前ひとりじゃここは守りきれねぇ」
センゴクって誰だっけ? と思って確か海軍で一番偉い人の名前だったことを思い出した。
白ひげさんの言葉は俺の意見をただ却下するんじゃなくて、認めたうえでの否定だった。どこか楽しげにすら聞こえるほどに優しい声色の白ひげさんに、これはつまり共闘なら許されるということなのだろうか? そう考
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