短編51「愛すべき退屈な日常」
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「「なあ、なんか面白い事ないかなあ」」
僕らはハモった。夏休み明け、僕らは退屈で死にそうだった。高校2年の中だるみ。部活もバイトもしてない僕らは、とにかくとにかく退屈だった。
「そうだ!この椅子使って遊ぼうぜ」
と、友達が言った。
「どうやんだよ!」
「こうやんだよ!」
友達は椅子を後ろ向きに座ったかと思うと、背もたれに両手を置き、両足を思いっ切り左右に開いたのだった。
ヴォーン、ヴォヴォーン!
エグゾーストノートを響かせて、僕らは朝方の峠にいた。コーナーを攻める!最高シフトからのクラッチ。2速でエンブレ、そして僕らはハングオンを決めた。コーナーの立ち上がりに見たものは!
「はい!授業始めるぞ〜」
古文のゴリラオヤジの顔だった。
次の休み時間。
「今度はお前の番だぜ!」
と、友達は言って、僕に椅子を差し出した。
「マジかよ〜!椅子縛りかよ!?」
仕方がないから考えた。
「よし!山に登ろう」
僕らはエベレストに登っていた。
「えー只今、頂上まであと200となりました。そちらから確認出来ますか?」
僕は無線でベースキャンプと交信した。
「えーこちらでは確認出来ません。非常にガスが濃いです。無理せず頂上アタックをお願いします」
「了解しました」
僕がそう言って、足を上げると……
「それが彼の最期の通信だった」
と、理科の先生がナレーションしていた。
「それでは!授業始めます」
次の休み時間は、昼休みだった。
「いや〜椅子縛りは面白かったなあ。じゃあ飯食おうぜ!」
と、友達は僕の席に来て言った。
「なあ飯だけど……」
僕らはそして中庭にいた。そして椅子に座っていた。僕らは椅子をかついで中庭に来たのだ。
「机も持ってくりゃ良かったなあ」
友達はそろえた膝に弁当置いて、姿勢良く食べていた。
「なんだよ!その格好〜」
「仕方ないだろ〜!生まれがいいから、足がそろっちゃうんだよ」
僕らは中庭で、昼ご飯を食べた。まだ暑い日差しの中。
「今年は残暑厳しいってさあ」
汗だくになって食べた。
午後の授業になった。とにかくとにかく退屈だ。時計のやつは壊れてんじゃないかというくらい、全く針が進まなかった。僕は次の椅子ネタを考えていた。
やっと休み時間になった。
「お前の番だせ!」
と、友達は言った。僕は……
「もう降参!!」
と、言った。なんにもアイデアが浮かばなかった。
放課後になった。
「なあ今日は、うち来いよ!」
てな訳で友達の家に言った。友達の家の駐車場には、スズキのカタナが
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ