短編51「愛すべき退屈な日常」
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ないで響きを楽しんだのだった。
『久しぶりに楽器屋に行こうかな』
僕は学校が終わると、そのまま楽器屋へ行ったのだった。駅前の通りを抜けると、良く行く楽器屋があった。僕はここに来て色んなギターに触れるのが好きだった。
「なんかあったかい?」
店長が僕に聞いて来た。
「いえ別に」
僕は答えた。僕は吊ってあるレスポールを見た。トラ目のクリア塗装の奴だ。
「なあ、たまにはこれ弾いてみなよ?」
店長は、上の方にある、ES335を取ってくれた。年代物で僕にはとても買えない物だった。
「まずはエフェクター無しで味わってくれよ」
そういうと、店長はシールドをフェンダーアンプに差し込んだ。しばらく弾くと……
「じゃあエフェクターな。まずはオーバードライブ」
ソリッドに近い、倍音の効いた音の波がエフェクターでさらに響き渡った。
「リバーブもいいよ。ディストーションも気持ちいいから」
店長は色々とエフェクターをつないでくれた。ES335の綺麗な歪みに、僕は酔った。明らかに音が違っていた。その後、店長はグレッチを出してくれた。
『今日はなんか、いっぱい弾いちゃったなあ』
時計を見ると7時になっていた。4時半に楽器屋に入ったから、かれこれ2時間半も弾いていたのだ。僕は楽器屋をあとにした。
それからしばらく、僕は楽器屋に入り浸っていた。その間、友達とは全く遊ばなかった。そしてある日……
「なあ今日ヒマか?」
友達が、登校して早々に僕に聞いた。
「ああ大丈夫だよ」
と、答えると……
「そうか」
と、言って友達は自分の席に戻った。そして放課後になった。
「ちょっと来てくれ」
と、友達は言うと通学路とは反対の方向に歩き出した。しばらく歩くと公園に着いた。そこには銀色のカタナがあった。
「直したの?」
と、僕は聞いた。
「後ろに乗って」
友達は僕に、メットを渡した。メットは僕の頭にぴったりだった。
ヴォーン!
と、エンジンがかかる。僕は友達の後ろに乗った。
「しっかりつかまって」
友達は僕の両手をつかむと、自分の腰から前に引っ張りお腹で結ばせた。
『えっ!マジかよ。これって抱き締めてる事になるじゃん!?』
と、思ったのもつかの間、カタナは走り出し、僕は振り落とされないよう、友達を抱き締めざるをえないのだった。
一時間ほど走っただろうか?カタナは大きな公園に止まった。僕が降りると友達もスカートをひるがえしながらカタナから降りた。縞パンが見えた。メットと脱ぐ。友達はすぐに……
「飲み物買ってくる」
と、言って自販機に向かった。しばらくするとコーラ
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