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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
チームバトル
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できるなら、こっちが動揺したのだとは思われたくない。
「うん、避けた。今のは風の恩恵を吸収するの?」
「似たようなものですね。より正確にいうのなら、金気と水気を組み込んだ矢、ということになりますけど」
「言っちゃっていいんだ」
「ええ。できることなら、そちらのコミュニティの陰陽師殿にお伝えしていただきたいので」
そう言えば、五行思想って陰陽術の関連だったっけ。それで、一輝に売り込みたい、と。
「できるなら、彼に使っていただいて宣伝効果を、と考えております」
「・・・予想の一つ上だった」
「我々にとっては重要なことなんですよ、宣伝って」
彼はそう言いながら矢筒に手を伸ばす。今更だけどいくつもの矢筒を下げて、その全てに違うデザインの矢が入ってる。ということは、全部込められているものは違う、できることは違うってことなんだと思う。
とはいえ・・・まったくもってわからない。五行思想とか、そんな物知らない。というわけで、
「・・・よし、このまま突っ込もう」
「正気ですか?」
「うちのコミュニティで一番戦いなれてる人から、『よくわからない能力が相手でも、勝てない、って思わなかったらとりあえず突っ込んどけ』って教えられてる」
「ずいぶんとクレイジーなようで」
「うん。一人で三頭龍に突っ込むくらいにはクレイジー」
その言葉に彼が驚いた隙を狙って、一気に突っ込む。具現するのは火蜥蜴の力。とりあえず手に火をまとわせてそれで殴り掛かる。そんな感じのざっくりとした作戦を立てて向かっていくと、今度は茶色っぽい感じのデザインの矢が放たれる。で、避けたのに火が全部吸収された。
「・・・ま、いっか」
「へ?」
とはいえ、相手は矢を放った直後。もう一度新しく矢を?番《つが》えて、狙いをつけて、それから撃つ。なら、そんな暇を与える前に殴ればいい。うんうん、何も問題はない。
「もう少し驚きとかないんですか、貴女!?」
「残念だけど、色々と体験しすぎてそうそう驚かない自信がある」
「なんですかそれ!」
そう言いながらも矢を番えている彼はプレイヤーもちゃんとできるんじゃないかなんて考えつつ、左腕で無理矢理払って照準をずらす。なぜだか彼はそのまま、まるで私の腕を支えにするみたいに構えてたけど・・・とりあえず分からなかったので、予定通りにおなかを殴る。あんまり怪我しないように、それでも確実に意識を刈り取れるくらいで。だいぶ意外なんだけど、一輝はこういう技術も持ってるらしい。てっきり、技として備えてるのは殺す前提のものだけだとばかり思ってた。
まあなんにしても、最近本拠で暇な一輝に教わったそれは思った以上にうまくきまり・・・彼は、矢を放つと同時に気を失った。そして、私の後ろのほうで爆発音。
「・・・うん?」
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