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乱世の確率事象改変
相似で相違な鏡合わせ
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休日を与えたことも、民の平穏に包まれるのが好きな彼に街を歩かせるのも、誰にとってもいい褒美と言えるだろう。

――また何か企んでやがる……

 ただ、嬉しいは嬉しいし、月の事も思うと受けるべきだが、やはり認められないのが秋斗だった。

「俺が真っ先に会うべき人がいるだろ?」
「許可は貰ってる。それにね、忙しなく仕事仕事と動くのはあなたの悪いクセよ、秋斗」
「おい、ソレお前さんが言うのか」
「夜遅くまで店長の店に入り浸ってるあなたに言われてくないのだけれど? 仕事を与える立場の私、仕事を命じられる立場のあなた……此処で正しいのはどちらでしょうね?」
「……正しい正しくないの問題じゃない。俺に休めって言うならお前さんも休め。それなら受ける」
「決定事項よ。今日だって詠と月は昼から休みで、雛里は元から休日だもの。そんなに仕事がしたいならこうしましょう。明日の夜まで月と詠、雛里と一緒にゆっくり過ごすのが仕事、分かった?」

 秋斗が言っても華琳は引かない。
 帝がこの街に居るのだから顔合わせは先にしておくべきと思うのだが、それでも、と。

――考えがあってのことだ。どれを優先するかは彼女が判断する。それは分かっるし間違ってないだろうけど……楽しんでもいやがるな、こいつ。

 相も変わらず秋斗で遊ぶのが好きなようで、華琳は何処か満足気だった。

――何よりも今日の夜とか明日とか、休日のお父さんじゃあるまいし……。

 心の中で突っ込むが、さすがに口には出さない。
 そんな事を口に出せば、華琳の隣で仕事をしながら、所々で犬歯を見せて睨んでいる桂花がどんな悪態を突くか直ぐに理解出来る。まあ、拒否しても頷いても、華琳が秋斗と話して上機嫌である限り桂花は苛立っているわけだが。

――口を挟んで来ない辺り、荀ケのやつ事前に止められてんのか。いんや……聞いてた“アレ”か。

 嫉妬を見せる桂花を華琳は気に入っているが、今回は秋斗との会話に介入させないという“おあずけ”で遊んでいるらしい。お遊びで熟成させた果実……愛しい王佐を、華琳は夜に食べるのだ。
 百合の園を読み取った秋斗は呆れのため息を吐いた。これ以上引き摺ると爆弾を踏んでしまいそうで。

「りょーかい。なら謁見については任せた。それとありがと、華琳」
「どういたしまして。その代わり『かれぇ』、私達の分も準備なさい。あなた達の時間は邪魔しないけれど料理は頂くわ」
「ん、流琉に材料を渡しとくよ」
「ふふ、よろしい」

 そういうと思った、とばかりに肩を竦めた秋斗。ゆっくりと入り口に歩み寄る。

「それじゃあ――――」
「そういえばまだ言ってなかったわね」

 また、華琳が彼の言葉を区切った。今度はなんだと思った秋斗の眉が寄る。
 華琳は真っ直ぐに
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