おまけ6話『変化する瞬間』
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るようになりたいって思った日のことだ。
今の俺を見たらベルメールさんは何て言うだろうか。
よく頑張ったと、悲しそうな顔で慰めてくれるだろうか。
張り倒されて、そこからさらに怒らてしまうだろうか。
わからないけど、きっと後者な気がする。
また、思い出す。
アレはいつの頃だったか。
『ハントにも来て欲しいな……って』
これは俺の声じゃない。
誰よりも俺の大切な人の、ナミの声。
まだココヤシ村を離れるなんて全く想像してなくて、狩り生活の一生を終えるんだと信じて疑ったいなかった頃でナミに一緒に海を冒険しようという話を持ち掛けられた時の頃。狩りのために強くなるという想いからナミを守るという想いに変わって、ナミの背中を見送るんだろうという想いからナミの隣にいようという想いに変わった頃だ。
強くなりたいと、想い始めた。
今の俺を見たらナミは何ていうだろうか。
辛そうな顔で、もう無茶しないでって言ってくれるんだろうか。
泣きそうな顔で頑張れって、応援してくれるだろうか。
わからないけど、きっと後者な気がする。
思い出す。
アレはまだ一年も経っていない時のこと。
『なんでもします。だから、お願いします! ……俺を強くしてください、村を救う力を……生きる力を教えてくださいお願いします!』
師匠に……ジンベエ師匠にお願いしている俺の声。
ココヤシ村を救いたくて、魚人海賊からみんなを救い出したくて、海軍に絶望して、師匠の強さに憧れて。
師匠に弟子入りを認めてもらった日のことだ。強くなることを求め始めた時のことだ。
今の俺を見て、きっと今もエースを助けるために死闘を繰り広げている師匠は何て言うだろうか。
よく頑張ったと、その大きな手で頭を撫でてくれるだろうか。
まだ修行が足りないと、ため息をつかれてしまうだろうか。
わからないけど、きっと後者な気がする。
強くなった……そのはずなのに。
ずっと思ってきた。
俺は強くなった。それなのに、勝てない。
……なんでだ?
俺は強い。それなのに、ルフィやゾロの強さに憧れる。
……なんでだ?
彼らにあって、俺にないものはなんだ。
強く、強くなりたかった。
守りたいと思ったものを。
――ナミを。
助けたいと思ったものを。
――エースを。
どこの誰が目の前に立ちはだかっても関係ない。
自分のやりたいことを通せるくらいに、強く。
ただひたすらに思ってきた。
なんでだろう。
なんでだろうか。
いつか強くなるなんて、なんでそんな強さを求めたんだろう。
いつか
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