暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
おまけ5話『助けるっ!』
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ばしたはずのゾンビ兵。

「……無傷か! なんで!?」
「キシシシシ! 勝ったと思ったか、海坊主? 故障はあっても痛みなんぞ感じねぇ! それがゾンビ兵だ! 『影法師(ドッペルマン)』」

 首を傾げるハントへと、追い討ちをかけるようにモリアの影がモリア自身から離れてハントへと襲い掛かる。

「……っ!」

 ハントを囲うよう立ちはだかる痛みを感じないゾンビ兵、そしてハントの前に立ちふさがるゲッコー・モリア。チラリとハントが視線を逸らせば、ルフィは無事にモリアの壁を抜けたようで、ルフィの姿はハントの視界からは映らず、前方から「うおおおおお!」というルフィの声が聞こえてくる。

 間違いなくルフィはモリアの壁を抜けた。

 それだけは理解したハントが、ホッと息を落として、それからモリアを睨み付けるように腰を落とす。
 数だけでいえばハントという一人対モリア率いるゾンビ軍団という多数という圧倒的不利な状況。だが、モリアを睨み付けるハントの目には不安な色は宿らない。

欠片蝙蝠(ブリックバット)

 モリアの影のドッペルマンが多数のコウモリ分裂、変化して、ハントに噛みついこうと襲い掛かる。ハントの背後からはハントを狙うゾンビ兵の銃口が向けられる。だが、それでもハントは焦らない。

「銃じゃあ俺は倒せない。コウモリじゃそもそも俺を捉えることすらできない……あんまり俺を――」

 軽く息を吐き、小さな笑みを。

「やれ、ゾンビ兵ども!」

 モリアの声を合図に、銃口が火を噴く。
 無数の影のコウモリがハントへ襲い掛かる。

 モリアとてジンベエの弟子がこんな形で命を失うとは思っていない。ただ、これだけの攻撃にさらされれば大きなダメージを受けることは免れないだろうことは明白だった。生かさず殺さずが理想的。影を切り取るためにはそれぐらいが丁度いい。

 あとは影を切り取ってしもうと、勝利を確信しようとしたモリアが、だが「魚人空手陸式!」聞こえてきた背後からの声にその動きを止めた。

「5千枚瓦回し蹴り!」
「っ!」

 反射的に自分の影のコウモリでガードするが、そんなガードもいともたやすく突破して、ハントの蹴りがモリアのこめかみを蹴り飛ばした。全力の蹴りに軽く吹き飛ばされたモリアへと、ハントはその勢いのままに肉薄。

「このまま一気に!」

 声と共に、モリアの背中へと追いつき、そこからさらに「5千枚瓦飛び回し蹴り!」

 モリアの背中から、ハントは自分の足でモリアの体を巻き込むようにして、モリアの体を地面へと蹴りで叩き付けた。

「っ゛」

 モリアが吐血。
 ハントの動きはまだ止まらない。魚人空手陸式による爆発的な衝撃に重なるハントの打撃の威力と地面にたたきつけられてほんの
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