暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
おまけ3話『脱獄』
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ょっとインチキじゃね? と思わなくもない。

 相打ち覚悟で戦うしか、今の自分ならばそれしか思い浮かばないけど、今からエースを助けに行くんだからそんなのと戦ってはいられない。

「っ……ん?」

 少しだけ焦りそうになって、別の人間の乱入に気付いた。インペルダウンを脱獄しようとする囚人組と変態組、そしてそれを防ごうとする看守組。それ以外の第三者の人間による介入だ。

「ふ……ふく署ちょ……っ!」
「助けで〜〜」
「な! ん!? おい、どうしたお前ら! バズーカ部隊! え!?」

 訳の分からない光景に目が丸くなる。あれだけ大量にいたバズーカ部隊がどんどん闇に呑まれていく。その異常を察した副署長が振り返ったところで、その顔面を全力で踏み抜く大男の姿が目に映った。

「な」

 その人物に、声を失ってしまった。
 見た瞬間に様々な感情が入り乱れて、飛び出しそうになるのを懸命にこらえた。エースは目の前のこいつに負けてこんな大ごとに発展してしまったわけで、少しというかとてもというか、随分と思うところはあるけれど。

 ――これはエースの獲物だ。

 なぜか俺の目の前にいるこの男に負けて、誰よりも無念に思ってるのはきっとエースだ。

 だから、俺は手を出さない。
 エースを助け出して、エースや、それからこいつに殺されたサッチの無念を誰よりもエースが晴らすのを待つ。それに、そもそも今はエースに勝ったこいつと戦っている場合じゃない。早くインペルダウンから脱出してエースの救出に向かわないといけない。
 俺がどうにか気持ちの整理をつけたところでルフィが声を漏らした。

「……あいつは……ジャヤで会った」

 そう、ジャヤでも会った。

「ほうほう、コリャすげぇ面子が揃ってやがる。何か取り込み中だったようだな……ゼハハ」

 この特徴的な笑い方をする大男。

「ティーチ、貴様がなぜここにおるんじゃ! いやぁ今は黒ひげと呼ぶべきか」 

 拳を震わせながら言う師匠が呼んだその男。

 ティーチこと黒ひげ。そして、その後ろにはその一味と思われる大男たちが俺たちの目の前に立っていた。

 師匠の怒気にさらされながらも「ゼハハハハハおいおい物騒だな、その拳はひっこめてもらおうか、ジンベエ」と笑うあたりはさすがの胆力だと思ってしまう……認めたくはないけど。とにかく、俺も師匠も目の前のこいつにムカついてはいるけど、今は戦ってる場合じゃないから黒ひげに勝負を挑んだりはしないけど、ルフィは違っていた。

「お前が黒ひげ!?」

 多分どこかの誰かにエースが黒ひげに負けたという話だけは聞いてたんだろう。黒ひげという名前に引っかかってしまった。

「ンん? そういや名乗ったことなかったな。ゼハハハ、久しぶ
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