下忍編
木の葉崩し
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度も言い聞かせるのに、なのに止まらないのだ。
辺りを見回して、縋るようにサスケの服を握る。
震える声で尋ねる。
「…なる、と、は、」
サスケはその言葉に沈黙で返した。
それが答えであった。
ナルトが我愛羅を追いかけた。ここまでなら許せる。ここまでなら、まだいいのだ。
けれど、サスケもカトナもナルトから離れているということが駄目だ。
いざという時に九尾を抑え込めれる二人がいないということは、駄目だ。
悪夢が、頭をよぎる。
大蛇丸によって見せられた、自分が見たことのない、見る気もなかった、恐ろしい夢。
あのチャクラを纏ったナルトの姿。そして、それによって見える光景。
さぁっ、とこちらがわかるくらいに顔を青ざめさせて震えだしたカトナを落ち着かせるために、サスケは言う。
「大丈夫だ。大丈夫。ナルトの奴なら大丈夫だ」
サスケにも彼女の焦燥がわからないでもない。
我愛羅は一尾であり、そしてナルトは九尾だ。
戦いの途中に引きずられたりするかもしれない。
それによって、もしも…もしも、九尾が顕現でもしてしまえば。
ぞくりと、彼の背筋に寒気が走る。
里人に見られてしまえば、取り返しがつかなくなる。
彼女にとって、それは何よりも恐れるべきことであり、今の彼女を瓦解させかねない。
それはなんとしても避けねばならないと、サスケはカトナの手を振り払うように走り出せば、カトナもまた慌ててそれを追いかけた。
お互いの心に降り積もる最悪の展開の予想を、見て見ぬふりしながら。
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