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無欠の刃
下忍編
木の葉崩し
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女の眠気を振り払うには十分だった。
 が、用心を重ねているのか。カトナは自分の頬の内側の肉を勢いよく噛みちぎる。
 凄まじい痛みが襲い、口内が血の味で満たされるが、カトナはそれを悲鳴すらもらさずに耐えきる。

 「寝るな」

 ドスが効いた低い声で呟くと、カトナはゆらりと立ち上がる。
 間違いなく、敵襲。
 しかも、カトナを眠らせられるほどの幻術。
 現在、チャクラが足りないので、物理的な痛みで自身の目を覚まさせたカトナであるが、しかし、一瞬とはいえ、その幻覚に気圧されたのもまた事実である。
 術式の系統的に、多分、医療忍者が多いこの一帯には、特に強いチャクラコントロールで行われたという事くらい推測できるが、それでも、弱っているとはいえ、自分が、このカトナが幻術にはまりかけ、傷つけられた。
 自分のチャクラコントロールが秀でていることを自覚してるカトナでさえも、後れを取ったということは、相当強い術者だろう。
 医療忍者を真っ先に封じに来たところから見る限り、会場の幻術の方が術の効力がまだ弱いだろう。
 しかし、術者の精度はカトナには勝らなくとも、普通の上忍はこえれるレベルだ。
 カトナの周りでこの幻術を破れる下忍は、写輪眼が扱えるサスケ、九尾により幻術が効きにくい身体になっているナルト、それにカトナが手をかけて教えているサクラぐらいだろう。
 実力がわからないが、おそらくサイと…勝敗の結果次第ではシカマルも幻術は聞いていない筈だと、冷静に考えつつ、廊下を一気に駆け抜ける。
 どのようにして仕掛けてきたのか。その目的は何なのか。どのくらいの戦力であるか。
 全てが分からない中、しかし、カトナはあることを分かっていた。
 この首謀者が、いったいだれかということを、カトナは言われるまでもなく察していた。

 「大蛇丸…!!!」

 ぎりっと歯を噛みしめたカトナは、怒鳴り付けたくなる衝動をこらえる。
 狙いはサスケ、だろう。だが、それは今すぐでなくてもいい筈だ。
 おそらく、木の葉の里を本格的に狙ってきている。
 先程の試合が終わって、カトナが絶不調のところを狙っている…わけではないのかもしれないが、九尾の人柱力と誤解されているカトナを封じに来ていない筈がないだろう。
 このことから考えれる可能性から、砂が協力している可能性は九割を超える。
 やばい、と、カトナは必死に、いつもよりはやく走って走って、走る。
 相手には一尾がいる。しかも、サスケの予測で言えば、毒が盛られている可能性もある。
 カトナと同じ毒を盛られたとなれば、あの我愛羅という男が尾獣化してしまう可能性も高い。
 もしも尾獣化されたら…この里の戦力で太刀打ちが出来るのは、同じく人柱力であるナルトぐらいのものだ。
 それほど、人柱力に封じられ
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