番外最終話『絆は終わらない』
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それを最後に動かなくなったサンジを見つめて、俺も動けなかった。
ナミを泣かせる?
サンジの行動理由は、限界を超えてでも俺を蹴りたかったのはそれ。ただひたすらに、それだった。
「……っ」
何かが零れそうになったのを、ぐっと堪えた。きっとそれを零してしまったら決壊してしまって、俺は動けなくなる。
……まだだ。まだ止まるわけにはいかない。
まだルフィも……それにナミも残ってる。
「次は俺だぞ、ハント!」
ルフィが俺に走ってきていた。サンジに比べたらまだ理解できる。直撃を受けていないからだ。腕はともかく、体のほうはまだ動かせてもおかしくはない。今のサンジを見ればそう思えた。
ルフィが走って向かってくる。どういう足技でくるのだろうか。
そう思ってたら、違った。
嘘つけよ、おい。
「ゴムゴムの銃弾!」
お前、右腕の状態わかってるのか?
拳、折れてるぞ、それ。腕も明らかに折れてる。肩だって絶対に無事には済んでない。
……なんで動かせるっ!? なんでお前はっ!
絶対に自分には出来ないそれに、なぜだか悔しくて、そしてそれ以上にこれ以上無理をさせてはいけないという想いがあって。
「5千枚瓦正拳!」
体重を拳に乗せて零距離で殴りつけてくるルフィの顎を、先ほどのサンジ同様に打ち抜いた。ただし全力で。もちろん、武装色の拳で。すさまじい勢いで吹き飛び、壁に激突するルフィ。これでルフィは終わった。
……終わった。
終わっ……た?
「……フィ?」
嘘だろ。
なんで立ってる。
なんでまた構えている。
なんでまだ腕を動かせる。
なんで、またお前の体から煙が出てる?
……なんで?
「お、め゛ぇ……ばっ゛」
話すことすら内臓に響くはずだ。ほら、口を開くだけでそんなに大量の血が零れてる。それなのに、ルフィは大きく息を吸い込んだかと思えば、叫んでみせた。
……なんでそんなことが出来る?
「海賊王になるお、れ゛の゛……仲間、だろうがっ! バン゛ドっ! こんな……はぁ……ところで! ……ふぅ……ふぅ……こんなところで、勝手に……いなく、なん、なっ゛!」
いったん言葉をやめたかと思えば大量の吐血。
ルフィの足元が血で染まる。
それでもルフィは言葉を止めない。
「ふー……ふー……相手がじいちゃんでも俺はまけねぇ! 大将でももう負けねぇ! おめぇのいない航海なんて嫌だ。だから行くなハント! 最後まで俺と一緒に戦え! 船長命令だぞ!」
嫌って……なんだよ。
船長命令って……なんだよ。
「っ」
「JET銃乱打!」
飛んでくる。
出鱈目にすら見える拳
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