番外35話『壁』
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ナミとデートに行けなかったその次の日。
フランキーが船を完成させるといった期日まで残り3日となった。
ログ自体はもう今日にでもたまるんじゃないだろうか。どっちにしてもフランキーが船を完成させるまではこの島を出れないからあんまり関係ないけど。
今日もみんなはそれぞれ自由な休暇を楽しむんだろう……もちろん、俺もだ。
指定された廃船場で一人、ルフィのじいちゃんを待っていた。
足元へと視線を送る。俺がいる20m四方ほどの空間だけ、木材や鉄クズが存在していない。というか昨日暇だったから俺が整理しておいた。せっかくやるのだからある程度はきちんとした場所でやりたい。
ふと、俺の髪を揺らした潮風を感じて海へと視線を送る。数えられないほどに存在している木材や鉄クズの向こうには海が広がっている。それこそ木材や鉄くずなんかほんの一握りでしかない量でしかないと思ってしまうぐらいに広い海だ。
海から視線をさらに上へ。海とはまた違う広がりを感じさせる空。朝とはいえ、そこまで早い朝ではない。太陽はもう随分と高い位置にいる。
「……はは」
なんだか、俺らしくない。
別に俺には詩人みたいな趣味なんかないのに、一々風景を気にしている。
……ただ待っているという行為を出来ないほどに高揚しているのかもしれない。
昨日はぐっすりと眠れた。
自分よりも多分格上の相手に挑むというのに、不思議と緊張はしていない。アップももう済ませてある。銃による傷ももうほぼ治った。昨日チョッパーからのお墨付きももらったし、どれだけ体を動かしても変に傷が開いて血が出るなんてことはないはずだ。
コンディションはばっちり。いつでも万全に戦える。
いくつかの深呼吸を繰り返し、そして。
「お、来とるな。 ぶわっはっはっは、感心感心」
来た。
ルフィのじいちゃん、ガープだ。
ガープの後ろには3人の海兵らしき人物。帽子を目深にかぶった男と、それにルフィとゾロの知り合いというか友人の二人。バンダナを頭に巻いている男と、変なサングラスをかけてる男。名前はたしか……えっと……うん、忘れた。まぁ、いいや。
「こいつらがどうしても決闘を見たいというんで連れてきたが、問題ないじゃろ?」
「ない」
俺の返事に、バンダナを巻いている男が「よかった」と安堵の声を漏らしたのが聞こえてきた。
ルフィとゾロの友人というだけいい奴あってなのかもしれない。それだけ考えてすぐに視線をガープへと移した。
観客なんかどうだっていい。今すぐにでも始めたい。
……あぁ、俺が好戦的になってる。
俺ってこんな感じだっけ?
首を傾げて、けどやっぱりどうでもいいとそんな考えを切り捨てて、魚人空手の構えをとる。
見聞色を発動する。武装
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