第三幕その八
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「のどかで静かでな」
「あんたはそののどかさと静かさが好きなのね」
「そうじゃよ、だからここにおるよ」
「何処にも行かないのね」
「基本的にはな」
「たまに飛行船を使って行ったりするけれど」
「基本的にはここにおるよ」
それでだというのです。
「都にはのう」
「行かないのね」
「わしはな」
こうしてというのです。
「都みたいな華やかな場所は性に合わんよ」
「のどかで静かな場所が好きだから」
「だからここにおるよ」
「そうなのね、じゃあ私達の方からね」
「こうして来てくれるか」
「時々になるけれどね」
猫は羊飼いさんのそのお顔を見て言いました。
「そうさせてもらうわね」
「それではな」
「ええ、また会いましょう」
こうお話してです、そしてなのでした。
一行は羊飼いさんに一時の別れを告げて飛行船に乗り込み飛び立ちました、そして飛行船の下を見てお話をするのでした。
「あれがメリーゴーランド山脈ね」
「くるくる回ってるわ」
「確かにあそこに行けばね」
「巻き込まれてね」
「辛いことになるわね」
「そうよ、慣れていないと大変なのよ」
ベッツイも五人に言います。
「あそこはね」
「だからですね」
「今回はですね」
「こうして空から越えて」
「向こう側に行って」
「また旅をするんですね」
「そうよ、羊飼いさんのご好意でね」
無事に山脈を越えてというのです。
「行けるのよ」
「羊飼いさんってとてもいい人ですね」
ナターシャはベッツイにしみじみとして応えました。
「本当に」
「ええ、あの人もね」
「オズの国の人達は皆いい人達ばかりですけれど」
「あの人もなのよ」
羊飼いさんもというのです。
「そうなのよ」
「そうですよね」
「そう、それでね」
「こうして飛行船も貸してくれて」
「私達を助けてくれるのよ」
「意地の悪い人だと」
ここで、です。ナターシャはベッツイの言葉を聞いてこうしたことも言いました。
「もう一緒にいたくないですからね」
「そうでしょ、オズの国というかね」
「島にですね」
「そうなの、気難しい人がいるのよ」
「評論家みたいな人ね」
「ええと、名前は何だったかしら」
ベッツイはその人の名前をどうしても出せずに首を捻ってしまいました。
「トロットが会ったね」
「オズの国に来られた時にですね」
「そう、あの時にね」
まさにというのです。
「キャプテン=ビルと一緒に会ったのよ」
「凄く困った人ですよね」
「そう、あと海賊の国もあったわ」
「リンキティンク王が活躍された時ですね」
「そうした人もいるのよ」
「ノーム族のラゲドー王もでしたね」
以前はロークワットといいました、この王様は。
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