第三幕その七
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「気球を使ってもらうぞ」
「有り難うございます」
こうしてでした、一行はメリーゴーランド山脈は気球で越えることになりました。そして羊飼いさんのお家の外にです。
羊飼いさんは気球を出しました、そしてです。
そのうえでなのでした、こう皆に言いました。
「それではな」
「はい、それじゃあですね」
「これに乗ってな」
「山脈を越えるんですね」
「そして着地すればな。気球は自然にここに戻って来る」
「自動的にですか」
「だからベッツイ嬢ちゃん達が返してくれる必要はないのじゃ」
こうベッツイに言うのでした、何しろ気球の方で返って来るからです。
「安心する様にな」
「面白い気球ですね」
「わしのものじゃからわしのところに返って来る」
あっさりと言う羊飼いさんでした。
「これがこの気球にかけられている魔法じゃ」
「素晴らしい魔法ですね」
「自分のものがなくならないことはな。あとこの気球は例え壊れても一日経てば元に戻る」
そうした魔法も込められているというのです。
「非常に有り難いものじゃ」
「本当にそうですね」
「ではな」
「はい、これから」
「乗って山脈を越えるのじゃ」
「そうさせてもらいます」
「ううん、気球といいますか」
ナターシャは羊飼いさんがポケットから出してくれてからどんどん大きくなって自分達の前にあるそれを見てこう言いました。
「これは飛行船ですね」
「そうね、気球というよりかね」
「飛行船よね」
「こんなに大きいとは思わなかったわ」
「ちょっとね」
「ふむ。これは飛行船というのか」
羊飼いさんもナターシャ達に言われてこう返しました。
「気球ではなく」
「はい、飛行船です」
見れば本当にです、そうした形です。
「これですと」
「そうなのか」
「あとポケットから出て来ましたよね」
その飛行船がとです、ナターシャは羊飼いさんにこのことも尋ねました。
「それから大きくなりましたけれど」
「うむ、そのこともな」
「魔法なんですね」
「この気球、いや飛行船はわしが願えば大きくなったり小さくなったりするのじゃ」
そうだというのです。
「魔法でそうなっているのじゃよ」
「そのことも便利ですね」
「うむ、魔法はとても便利じゃ」
「ただ飛んで人を運ぶだけじゃなくて」
「科学と魔法が一緒になると」
別井の言葉です。
「凄いことになるでしょ」
「それが出来ているのがオズの国なんですね」
「二つが一つの世界でもあるんですね」
「そう、それだけに不思議な世界なのよ」
科学と魔法、全く違っていて決して混ざり合うことがない筈のものが一つになっているからこそなのです。
「この国はね」
「そして凄く魅力的になっているんですね」
「素晴らしい世
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