暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外34話『邂逅』
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 ナミにすれば少々面倒くさそうなハントの言葉だが、それでもハントが嫉妬をしていると思えばナミにしても嬉しいことらしく「う、うん」と気恥ずかしげに頷く。いつまでたっても初々しさを忘れない二人は、ただただ幸せそうにバーベキューの宴を楽しむのだった。

 小中学生の恋愛かよ。

 誰かがそう突っ込んだのは、きっと気のせいではない。




 規模を増して、最終的には町中の人間が集まってきた大宴会から翌日。
 船の完成まで5日欲しいというフランキーの作業完了を待つ一同は、やはり今日も思い思いの一日を過ごす。そもそもウォーターセブンという島を彼らが満喫する前に大騒動が起こってしまったわけで、となればこの島での時間を過ごすことは彼らにとって決して退屈な時間ではない。

「じゃ、その間ゆっくりとお買い物でもしますか! あれ? ここにあった1億ベリーは?」
「あぁ、宴の時によ……肉やら酒やらを買うのにやった!」

 ナミの問いに、まるで当たり前のように答えるルフィ。

「楽しかったな、あはは」

 と気楽に笑うルフィだが、それは当然ナミの逆鱗に触れることになる。
 ぼこぼこに殴られたルフィが息も絶え絶えに「んま! 船は得したんだからいいじゃねぇか!」と震えた声で言い、ナミは「船に豪華な家具入れお湯と思ったのに」
 がっくりと肩を落とす。
 それを見ていたハントが顔を真っ赤にさせながら、だが素晴らしい笑顔を浮かべて「じゃあナミ! 俺とデートに行こうぜ!」と声をかけようとするのだが、その寸前でロビンがナミへと声をかけていた。

「ふふふ、掘り出し物を探しに行きましょ」
「うん、ありがとうロビン」

 それに肯定するナミを見て、ハントの動きが完全に止まった。

「ふん」

 多分、それらハントの動きをすべて見ていたのだろう。ハントの肩をたたき、これ見よがしに笑うサンジにハントが更なるダメージを受けて、肩を落とす。

 ――今日はもう、明日のために体を軽く動かしておくかなぁ。

 あまり落ち込んでも仕方がないと判断したハントが、気分を入れ替えてナミへと声をかけた。

「……そうだ、ナミ」
「え?」
「俺明日、一日中いないと思うから、先にそれだけ伝ておくな」
「……いないの?」
「え、あれ? なんか怒って? あ、うん、はい。ちょっとやりたいことがありまして」
 ナミの表情に、ハントの言葉遣いが自然と敬語になっているが、そこにナミは突っ込まずに言葉を零す。

「あっ、そう。じゃあサンジ君に明日はハントのご飯作らないでってお願いしておくわね?」
「いや、それは流石に――」
「――一日中いないんでしょ? 問題ないじゃない。ね、ハント?」
「……はい」

 なぜナミが不機嫌そうなのか、
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