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ワンピース〜ただ側で〜
番外34話『邂逅』
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故に大抵のことをすぐに受け入れるハントを混乱させるというのはさすがにルフィの祖父を感じさせるが、ともかく、ハントはせっかく決闘を受け入れてもらえたのだから下手に気が変わる前に答えてしまおうと、決闘の期日を慌てて考え始める。

 ――本当は今すぐにでもやりたいけど……いきなりいなくなったらナミに怒られそうだしなぁ。あ、じゃあ明日……いや、せっかくやるんだから万全の状態でやりたいし、完全に銃の傷とかが治ってからがいいよな。ってことは明後日が一番いいのか。みんなにもちょっとやりたいことがあるって言っておけば怒られることもないだろうし……おし、それでいこう。

 どうにか自分の脳内で考えをまとめ上げたハントが「えっと、じゃあ明後日の早朝とかでも?」となぜかちょっとオドオドした様子で尋ねる。

「うむ、よかろう! では朝に廃船場でやるとするかのう!」

 快活かつ明朗な返事に「あ、じゃあそれで」と海軍嫌いのハントにしては珍しく恐縮した様子で頷く。

「ぶわっはっはっはっは! ルフィの仲間で、ジンベエの弟子か! 明後日を楽しみにしとるぞ!」

 笑いながら立ち去るガープの背中を見つめながら、ハントは様々な感情を込めて笑みを浮かべる。

「……伝説の海兵、海軍の英雄、悪魔、海賊王の宿敵、ゲンコツのガープ……たぶん、世界最強クラスの人間で、しかも非能力者」

 ――俺の今の実力を知る、いい機会だ。全力でやってやる。

 興奮する体をどうにか抑えて、ハントは自分たちが拠点へと踵を返す。その表情は、ハントらしからぬ好戦的なソレ。




 ハントが拠点へと戻るも、そこにはなぜか誰もいない。裏手のほうから聞こえる歓声につられて足をそちらへと進めると、宴会が既に始まっていた。

「おう、ハント! おめぇどこ行ってたんだ! ほら喰え! 水水肉! うめぇ〜ぞ!」
「ハント! もうどこ行ってたのよ! ちょっと探しちゃったじゃないの! こういう時に私のエスコートしてくれるのがアンタでしょ!?」

 ルフィから肉を受け取り、ハントにしてみれば最上級に嬉しいナミからのお叱りを受けて、ハントの中に先ほどまであった高ぶる気持ちとはまた別の、無邪気な遊び好きなソレへと切り替わる。

「サンキュ、ルフィ! それと今からは俺に任せろナミ!」

 楽しそうな笑みを浮かべたハントは、とりあえずナミへと言う。

「プールサイドだけど、ナミ……お願いだから何か着てください」
「けどここプールサイドだし」
「せめて、俺の甚平だけでも」
「え、けど濡れちゃうわよ? ついさっきまでプールに入ってたし」
「いや、ナミの水着姿を俺以外の奴が見ることの方が俺……嫌だからね? まぁナミのことをいやらしい目で見てるやつはいなさそうだから我慢できるけどさ
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