暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外33話『バスターコールバスター』
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とそのまままた海中へと潜っていった。

「……あ、あいつ体中血だらけだったけど大丈夫なのか?」

 後ろの方から聞こえるフランキー一家のざわつきをあえて、パウリーは無視して言う。

「……おし、俺たちも行くぞ」
「おお!」
 徐々に陸地に上がる海兵たちの前にはもう海賊たちの姿は見当たらない。 




 ザンバイたちがうまく島から逃げ出した頃、麦わら一味着々と逃げる準備を整えていた。

「出航はいつでも大丈夫よ! ルフィとハントが来たらすぐに出せる!」
「ああ」

 ナミの言葉にゾロが頷き「だが」とサンジがたばこをふかしながら自分たちを囲むように並んでいる軍艦を見渡す。 

「単純に考えても今の俺たちと軍艦の数が同じくらいだ……いくら出航できても、ここ抜けるのは至難の業だぞ」

 それを、サンジが呟いた時、軍艦側に異変が起こったことを知らせる報告が、護衛船についていた電伝虫のスピーカーから流れてきた。

『北西、正門側に入った3隻からの応答不能! 繰り返す! 正門側に入った3隻からの応答がない! 海兵・役人の収容状況も不明逃走中の海賊50名も依然行方不明! 至急確認されたし!』
『こちら2号艦、了解した。すぐに向かう』
「なんだ、何か問題が発生してんのか?」
「何が起こってるのかは知らねぇがこれはこっちに運が向いてきたのかもな」

 ゾロとサンジが頷きあうが、それは運でもなんでもない。彼らはそれをすぐに目の当たりにすることになる。

『ん、なんだ?』

 2号艦が麦わら一味の包囲網から遠ざかっていく姿が彼らの目にはしっかりと映っていたが、その2号艦の前方から随分と巨大な水の柱が立ち上がる。それに、2号艦の海兵たちが首を傾げてしまった時点で、もう2号艦の命運は決まった。
 海中から飛び出した小さな人影が水の柱へと飛び、その瞬間、水の柱は巨大な水の刃へと姿を変えた。
 一刀両断。
 軍艦が真っ二つに分断されて、沈みゆく。

「な」

 声を失ったのは海兵だけではない。それを見つめていたフランキー、ココロ、チムニー、ゴンベもまら同様になにが起こったのかを理解できず軍艦が沈んでいく様子を見つめている。それが何なのかを理解しているのはここでは麦わら一味だけだろう。かつてアラバスタを離れる時に見たことのあるその海での戦い。黒檻のヒナの艦隊をたった一人で沈めた彼の戦いだ。

『う、海坊主! 2号艦も! 正門側に入った3隻も海坊主ハントにより沈められた模様でありま……ぎゃああああ!』
 報告していたのはいったい何号艦の船なのか。
 麦わら一味を包囲していた軍艦のうち3隻を、今度はいきなり現れた水の龍がまとめてその横っ腹に穴をあけて通り過ぎていく。

『くそ、何だアレは! なぜたった一
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