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赤い服のアルバイト
4部分:第四章
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れでもあっさりと開いた。まるで鍵なぞ最初からなかったようにだった。
「今度は何なんだ?」
 そのあまりにも呆気なく開いた窓を見て首を傾げる。自分が開けたものであったがそれでもだった。
 そのことに首を傾げたままだったがそれでも部屋の中を進んだ。薄暗い部屋の中で小さな男の子がベッドの中ですやすやと眠っていた。見ればその顔は微笑んでいる。
「この子か」
 今度のプレゼントの相手はこの子だとわかった。その大きなベッドの枕元に靴下がかけられている。同時にそこにはこう書かれている紙が入っていた。
『サンタさん、ラジコン御願いします』
「ラジコンか」
 その紙を手に取って読みながら呟いた。
「ラジコンを出せばいいんだな。出るか?」
 袋を探りながらいぶかしむ。そもそもラジコンみたいなものが入っていてはかさばって仕方がないがそんな気配はない。まずないだろうと思いながら探っていると何とそれが出て来たのだった。
「嘘だろ・・・・・・」
 だが嘘ではなかった。戦艦大和の見事なラジコンだ。湖や池に浮かせて動かせばそれだけで壮観だろう。まだ小さいが随分と見事な趣味の子供だった。
「まあいいか」
 とりあえずこの子の趣味には内心感心しながらもそのラジコンを置いておいた。とても靴下には入りそうにはなかったのでとりあえずは彼のベッドのすぐ横に置いておいたのだ。置き終えるとそのまま家を出た。窓を閉めると鍵が自然に閉まったのだった。
「とりあえずこのまま行っていいのかな」
 何事もなかったように終わったのでそれで彼も納得することにしたのだった。
「じゃあ。このまま行くか」
 納得したことにして次の家に向かう。向かう家はトナカイが自然に向かってくれる。そうして次々とプレゼントを贈っていった。そしてある時点でトナカイは急にマリンスタジアムに戻るのだった。またしてもかなり急な行動だった。

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