暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外31話『無賃乗車にお気を付けください』
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れを狙って紙一重に避けてみせた。ルッチの狙い自体はもちろんハントにわかるはずもないが、自分を簀巻き状態にしていたロープが指銃によりはじけ飛ばされたことで今のハントを抑制するものはもう手錠だけとなったのだからハントとしては嬉しいものだろう。

「……そんじゃ後で」

 さっさとロビンのいる第一車両へと歩いていくハントを、今度こそ止める人間はおらず、ハントが第一車両へ入ったのとほぼ同時席を立っていたカリファが「伝えるわ」と彼らの注目を集める。

「『海坊主も連れてこい、6千万の手土産たぁ景気がいいじゃねぇか! でかした! あちぃ! コーヒーこぼした!』とのことよ」
「……じゃろうな」
「……そうか」

 カクがため息をもらし、ルッチは目を閉じて頷く。

「放置していいのか?」

 ロビンの車両へと足を進めたハントを放置してもいいのか、というブルーノの言葉に、ルッチは首を振りながら答える。

「どうせニコ・ロビンは動かない。それに、海坊主が本当に脅威になりそうなら俺が始末すればいいだけだ」

 諜報機関の人間とは思えないほどの血の気の多い発言。
 それはCP9という特性で、かつロブ・ルッチの自信からくるそれ。
 とにもかくにも、新たな同乗者ハントも乗せて、海列車はエニエスロビーへと向かう。




 サンジの置手紙により、とりあえずはサンジが既に海列車に乗り込んでいることを知った麦わら一味は、ルフィとゾロも無事に発見されたことでロビンの後を追うことを決める。未だにその消息を見せないハントを満足に探すこともできないままに。

 以前にシフトステーションで知り合ったココロに使わせてもらった暴走海列車に乗って、彼らはロビンを追いかける。
 ロビンを追いかける麦わらの一味。
 落とし前をつけるために行くガレーラカンパニーの職人たち。
 フランキーを助けたいと願うフランキー一家。

「せっかく同じ方向向いてる者同士がバラバラに戦っちゃ意味がねぇ。いいか俺たちは同士だ! 先に出た海列車には俺たちの仲間も乗り込んでる! 戦力はまだ上がる! いくぞぉ!」

 ルフィの発破に、同乗していた全員が雄たけびをあげて、士気を高める。
 彼らは行く。
 仲間のために。




 ハントの姿を認めたロビンが、その表情を驚愕に染めていた。

「な、どうして漁師さんがここに!?」
「あのさぁ、ロビン……簀巻き状態のままで倉庫の天井をぶち抜いて、しかも必死に泳いで出航を始めちゃったこの海列車にどうにか飛び乗ってさ? そりゃもう簀巻き状態のせいでえらい苦労したんだからさ『どうして』じゃなくて『忘れててごめんなさい』でいいんと思うんだけど?」

 全身をずぶ濡れにしたままのハントは「ふぅ」と息をつきながらもロビ
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