暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外31話『無賃乗車にお気を付けください』
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やっぱ手足が動かせない状態って限度があるよな」

 とりあえず目の前の4人がその変な仮面の奴らだということに気づいておらず、加えて言うのならもともとCP9である彼らには約束を守る気がなかったということにも気づいていないらしく、聞いてもないことをぺらぺらと話すハントは、簀巻き状態のままで「ほ」と器用に立ち上がり「なぁ、変な仮面の奴らどこか知らない?」と再度尋ねる。

「カリファ、長官に海坊主の処分を聞いてこい」
「いいのか? 始末せんで。こいつはここで始末しておかんと危険じゃぞ。あの男のことじゃからどうせ6千万の手土産が増えたといって呑気に喜びそうなもんじゃが」
「カクの意見には同感だが、仕方あるまい。一応はニコ・ロビンとの約束もある」
「ブルーノ、昨晩のことで苛立つ気持ちはわかるが……抑えるんじゃぞ」
「わかっている」

 カリファだけ席を立ち、それ以外の面々で小声をもってひそひそと話す彼らに、ハントが「おーい、あれ? 無視? 存在感? 存在感ですか?」と一人で負のループに入り出した時、ようやくルッチがハントへと声をかけた。

「海坊主」
「ん?」
「我々がその仮面の者たちだ。ニコ・ロビンなら次の車両で大人しくしている」
「って、お前らがそうかよ!」

 と、カクの顔でハントが首を傾げた。首を唸らせて考え込み事、数秒。

「えっと確か……メリー号の査定した奴だよな」 
「うむ、先に言うておくがあの査定は事実じゃぞ。あれは流石にこの島でも直せん」
「……そっか」

 明らかにうなだれたハントだったが「仕方ないよな」と呟いたかと思えば、すぐに元気を取り戻して「じゃ俺ロビンのところに行ってるから」と簀巻き状態のため歩けないらしく、ピョンピョンと飛び跳ねて次の車両へと向かいだした。

 自分たちに背を向けたハントをルッチが止める。

「待て」
「?」

 振り向いたハントへと、ルッチは肉迫。何の躊躇いもなく一本の指で「指銃」ハントの心臓めがけて突き出した。その速度は昨日熊の仮面の男――要するにブルーノだが――の指銃に比べて威力、速度ともに比肩しえないほどのもの。いくらハントでも簀巻きにされていては避けようがない。

「っ」

 いや、いや。

 短く息を吐きだし、その場で左足を軸に半回転。姿勢も態勢もままらないというのに、心臓めがけて突き出された指を見事に回避してみせた。
「……」
「……」

 数秒ほどにらみ合い、そこでハントはふっと笑みを浮かべて「サンキュ」と礼を。
 なぜ殺されかけて礼を言うのかがよく分からずに、ブルーノが首を傾げたところで、ハントをぐるぐる巻きにしていたロープがふと落ちた。

「ルッチの指銃を利用したのか」

 驚きの表情で漏らしたそれの通り、ハントはそ
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