暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外31話『無賃乗車にお気を付けください』
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こに乗り、政府の役人や海兵も全員が乗り込んでいる。
 ウォーターセブン発エニエスロビー行き。
 ロビンが連れていかれる島は司法の島エニエスロビー。名ばかりの裁判所で、そこへ連行されることこそが罪。もしもそこにある正義の門を抜けてしまえば待っているのは絶望の地獄だ。

 彼女が麦わら一味のために行こうとしている場所は、そんな所だ。
 政府貸切で、既に乗るべき人員がすべて乗り込んだ海列車は島に訪れる高潮アクア・ラグナの影響により少し早めに島を出る。

 ルフィたちは間に合わず、乗り込んだ男はただ一人、こうなる事態を想定していたであろうサンジだ。フランキー一家の棟梁フランキーとウソップもCP9に捕まってその船に簀巻きにされた状態で放る放り込まれてはいるが、まともに動けるのはサンジのみ。

「5年住んだがこんな島にゃあ名残惜しむ情もわかねぇ」

 と、遂に動きだした海列車の車内でロブ・ルッチがと言葉を漏らした時だった。
 徐々に速度を増す海列車。CP9だけしかいない車両の天井にドンと、なにかがぶつかる音がした。

「?」

 彼らはプロだ。小さな異変だからといって気にしないなんてことはない。全員が一斉にその音がした方向へと顔を向けて意識を傾ける。何かがぶつかった音がした地点から、それはそこに乗っているらしく、今度は何かが這うような鈍い音が聞こえる。

「ブルーノ」
「ああ」

 ルッチの指示で、ブルーノが這う音の下に行き、そこで一旦視線を全員に送る。全員が頷いたところで、ブルーノは這う音の場所へと腕をかざした。

「ドアドア」

 悪魔の実、ドアドアの実の能力でその地点を扉と化し、そしてそこが扉となった途端に「うげ」と車両の天井で這っていた何かが車両へと落ちてきた。

「げほ、いたたた……ん?」

 その這っていた何かは首をめぐらせ、自分の周囲にいる4人の顔を見つめて尋ねる。

「変な仮面の奴ら知らない? あとロビン……あ、ロビンがいるのはわかってるからいいや」
「……」
「……」
「……」
「……」

 彼らは一斉に口をつぐみ、それを見つめる。天井を這っていた何かの正体。相変わらずの簀巻き状態のままで水にずぶ濡れにっているハントの顔を、彼らは少しばかり驚いた顔で見つめていた。

「いやー、ここにロビンがいるっていうのはわかってるんだけどさ……っていうか本当は変な仮面の奴らが俺のこと連れていくって言ってたのに俺の存在忘れたのか知らないけど放置してくれやがってさ……ホントさすがにこの状態で倉庫が水没したときは死ぬかと思った。っていうか天井の鉄板が薄くなかったら俺絶対溺死してた。流石に人間魚雷で頭から天井をぶち抜いたのは人生で初めてだわ、うん。たぶん武装色使えてなかったら溺死してたね。うーん、
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