暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外31話『無賃乗車にお気を付けください』
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水かさに「もしかしてここが水没してるって、そもそもわかってないんじゃ」と呟いて、勝手に顔を青くさせ始めた。

 これはハントの被害妄想……ということはなく、残念ながらというか見事にというかハントにしては珍しくというか、その予想は正解。ここに5年間住んでいたCP9の面子も、去年までは水没しなかったこの場所が今まさに水没しようとは思ってもいない。

 しかも海列車の場所はここから反対側で、元々ハントのロビンと一緒に連行してくれという話を守る気などなかった彼らがそこに立ち寄るつもりなどあるはずがなく、加えてCP9の彼らが知らないのにロビンが知るわけもない。

 いや、もしもロビンがそれを知っていたとしてもナミにはハントの居場所を伝えているのだから大丈夫だと考えて、やはりハントのほうへと来ることもない。
 つまり、ハントの予想通り。
 今まさに彼はピンチだったりする。

「……ちょっと笑えないなこれ」

 ついに首元にまで迫ってきた水位に、ハントは深呼吸を繰り返して天井を見上げるのだった。




 ロープで巻かれて意識も奪われていたパウリーとアイスバーグを、瓦礫に潰されたはずのチョッパーがどうにか背に乗せて外へと飛び出した。外へと落とされて意識を失っていたナミも意識を取り戻し、パウリーとアイスバーグによって遂に麦わら一味の嫌疑は晴れることとった。

 もしも今の怪我をしているナミの姿をハントが見ればロブ・ルッチたちへと激怒していただろうが、残念なことにハントは現在溺死するかどうかの瀬戸際で、流石にそのナミの姿を見れるわけがなかったりする……それはともかくとして。
 そこで、ナミはアイスバーグから真実を聞かされることとなる。ロビンの願いの代わりにCP9がロビンに突きつけた条件は二つ。

 市長暗殺の罪を麦わら一味にきせることと、その後政府に身を預け従うこと。もちろん、そこにロビンの命は含まれていない。それでも、ロビンは願いが叶うのならそれで良いとした。ハントに何と言われてもロビンが頑なに意見を変えなかったのはCP9が麦わら一味に対してバスターコールの発動を許可されていたから。

 バスターコールとは海軍本部中将と軍艦10隻を一点に召集する緊急命令で、その国家戦争クラスの軍事力の標的にされたら後にはもう何も残らないと、その脅威をロビンはほとんどトラウマのように知っているからだ。

 条件を呑まなければ麦わら一味に対してバスターコールがかかる。だからロビンは頑なにハントの意見を聞かず、CP9と行動を共にしていた。すべてはロビンの願いのために。そして、自分の命を省みずに願ったロビンの願いはただ一つ。

 ロビンを除く麦わら一味の7人が無事にこの島を出航すること。
 それが、ロビンの願い。

 その話をアイスバー
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