暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外31話『無賃乗車にお気を付けください』
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我々CP9は物心ついた頃より政府のために命を使う覚悟と人体の限界を超えるための訓練を受けてきた……そして得た力が6つの超人的体技『六式』。よく身に染みたはずだ、世界政府の重要任務を任される我々4人とたかだか一海賊団のお前たちとのけた違いの戦闘力の差が。この一件は世界的機密事項……お前たちごときが手を触れていいヤマではない!」
「……」
「……」

 随分と好き放題に言ってくれるルッチに余程悔しいのか、ルッチをその場にひれ伏している男たちが睨み付け、先ほどのロビンの言葉を聞いていたらしいルフィが表情を悔しげにゆがめたままで言う。

「おめぇらに……ハントが負けるとは思えねぇ」
「……」

 その言葉に、ルッチは無言で、無視を。
 カリファの「ルッチ、発火装置の作動の時間よ。私たちも急がなくては」という言葉に頷いた。

「だが、せっかくだ最後に面白いものを見せようか」

 そして、ルッチは見せる。俺の能力。動物系悪魔の実。ネコネコの実、モデル『レオパルド』の力を。豹人間の力を。

 程なくして、彼らはロッチに惨敗を喫する。
 ルフィは腹を指銃で打ち抜かれて、ゾロは蹴り飛ばされて建物からどこか遠い場所へ吹き飛ばされた。ナミは高さ何メートルもある場所から外へと放り出され、チョッパーに至ってはナミを庇って建物の下敷きに。

 そして、パウリーとアイスバーグは巻かれる日の中でロープでぐるぐる巻きにされて。
 こうして、麦わら一味はロビンを逃がしてしまうこととなった。

 


 麦わら一味がCP9の手によってロビンを捕まえ損ねたとき、ハントはハントで修羅場を迎えようとしていた。

「……誰も来てくれないけど……さすがにこれはやばくないか?」

 簀巻きにされてまさに手も足も出ない状態でただ一人そこにいるハントが『やばい』と評したのは仕方のないことだろう。なにせ、どんどん浸水してきている。簀巻きの状態でどう頑張ったのが、うまいこと立っているハントだが、腰のあたりまで浸水してきてる。最早ここが水没する危険性すらもハントは感じている。

 ちなみにこの倉庫は鍵もかかっていて扉は鋼鉄製。床はもちろんコンクリート。さすがにこの簀巻き状態ではハントもお手上げで脱出は出来そうにない。

「……忘れてるんじゃないだろうな」

 呟いてから、自分が大事な場面でみんなに忘れられることがよくある人間だったということを思い出してから顔をひきつらせた。

 ――あ、シャレになってないかも。

「くそっ! おい誰か! 誰かいないのか!」

 CP9が監禁場所として選んだ場所だ。人通りなどめったになく、よしんばあったとしてもここは既に水没しかけている地域。こんなところに人がいるはずがない。その間にも徐々に高くなっていく
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