暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外29話『水の都ウォーターセブン』
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せて、しかも小さな声で頷いてくれるナミってばもう……言葉には出来ないこの感情。絶対に俺は今にやけてる。っていうか顔が熱い。赤くなってる、確実に。

「今からのアイスバーグさん探しと換金にはハントも来てくれるでしょ?」

 とりあえず先に行こうとしてたルフィとウソップを捕まえたナミの言葉に、小躍りしそうなほどに頷きたくなって、けど首を横に振った。

「え、な、なんでよ」

 ちょ、そんな顔しないでください。
 俺まで悲しくなる。俺だって本当はナミと一緒にいたいんだけど、とりあえず慌てて言い訳をさせてもらおう。

「純粋にデートを楽しみたいし、あとはでかけるなら二人がいいし……それにナミが船のことで出かけるなら俺も船のことでちょっとゾロかサンジに相談したいことあるし」

「考えたいこと? しかもゾロかサンジくんに相談?」
「うん」

 ナミのびびるくらいの胡散臭そうな顔だ。うーむ、こんな変な顔でも可愛いって犯罪だよなって思うんだけど、すぐに聞こえてきたルフィの「よし、じゃあまぁ行こう! 水の都!」という声に現実に引き戻されてしまった。
「ほら、ナミもハントもさっさと……ん? ハントは行かねぇのか?」
「ええ! なんか考えたいことがあるんですって!」

 あぁ、ちょっとだけナミが怒ってるような声だ。一瞬前まではすごいいい感じだったんだけど……なかなか難しいものだ。まぁそんなナミも可愛いからいいや。っていや、だめだ。こんな感じでジャヤでも怒らせちゃったんだっけ。

「あ、あとでちゃんと全部言うから! その……ごめん、ナミ!」
「……」

 ルフィとウソップに半ば強引に連れてかれるような形でそのままついてくナミは止まってくれない。必死に手を振るけど、もちろんナミがそんな俺に気づいてくれるわけもない。あぁ、また失敗したかなぁって思いながら、それでも見つめてるとナミがこっちを振り向いてくれた。

「っ!」

 慌てて全力で手を振る。

「……」

 それに、ナミも無言だけど軽めに手を振り返してくれた。ナミが笑顔でそのまま歩いていく。

 ……今回はナミを傷つけなくて済んだ。そんな気がした。いや、まぁもともとさっきのナミの感じからするに本気で怒ってるとか傷ついてるって感じない気もするけど……まぁ、細かいことはいいか。

「ふぅ」

 ため息をつく。
 なんというか一仕事やり終えた。
 って思ってると後ろから声が。

「ふふ、漁師さんも少し成長したみたいね」
「そうなのか? 俺は良くわかんねぇ」

 ロビンとチョパーだ。

「み、見てた?」
「ええ、全部」
「見ない方が良かったのか?」

 うぅ、恥ずかしい。っていうかチョッパーの純粋な言葉になんか耳が痛い。そ、そうだよな。
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