暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外29話『水の都ウォーターセブン』
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づかないのは当然といえば当然だろう。

「ぷっ」

 寝ていたはずのゾロがサンジの苛立ちに気付き、小さな笑いを漏らした。

「てめぇ寝てたんじゃねぇのかサボテン野郎が!」
「何だとダーツ、こら!」

 とまぁ、2F甲板での騒ぎに呼応するかのように下のメイン甲板からは「るーふぃ! るーふぃ!」とウソップとチョッパーに誘われるように「凍った俺のマネ!」と物まねを披露してみんなで大爆笑をするという騒ぎを起こす。

 もはや完全にいつも通りのメリー号だが、そんな平常もつかの間で、彼らはまた新たなものを発見する。

「クロールするカエルだ!」

 そんな面白いものを見つけて放置するわけがない彼らがナミを除いた一同で一丸となってそれを追いかけるのだが、そこで海列車を発見し、次いでそこにあった灯台、正式名称シフトステーションでは駅長のココロ、ココロの孫のチムニーと猫のゴンベに出会ったりして。




「じゃ行くわ、色々と教えてくれてありがとうココロさん、チムニー!」
「野郎ども! 出航準備!」
「おお!」
「気を付けてね!」
「政府の人間に注意するんらぞ!」

 彼らはシフトステーションを出て、世界最高の船大工がいるという次の島、水の都ウォーターセブンを新たなる仲間を引き入れるべく目指す。

「どうした、ウソップ?」 

 ウソップが船のマストに抱き付いているのを見たルフィが首を傾げた。その問いに、ウソップは目を閉じて恍惚気味に語りだす。

「このブリキの継ぎ接ぎもよ……戦いと冒険の思い出じゃねぇか。これからキレイになっちまうのかと、感慨深くもあるわけだ、おれぁ……なぁ、ハントもよく一緒にこの継ぎ接ぎをやったんだ、そうだろう?」
「うん、そうかもな」

 ウソップに話をふられたハントもまた同様に頷く。彼ら二人は特に船のつぎはぎ修理に携わっていたこともあって、しきりに感慨深げな表情でメリーに散在する傷跡を眺めている。

「それもわかるが……特にグランドラインに入ってからのメリー号への負担は相当なもんだ。甲板のきしみも船底の水漏れもひどい。このまま放っときゃ船も俺たちも危険だぜ」
「ああ! でも今はいっぱい金もあるしよ! 完璧に元気にしてやれるよ! パワーアップも出来るぞ!」

 サンジとルフィの言葉で、ウソップとハントの感慨深そうな表情から一転して嬉しそうなソレに変わる。特にメリーを愛しているウソップの顔の輝きは誰よりもあるかもしれない。

「よし、大砲増やそうぜ!」
「じゃ銅像ものせよう」
「もっと丈夫にしてもらうとかでいいよ、俺は」

 ウソップにルフィに、ハント。
 それぞれが好き放題な希望を述べて会話を弾ませる中「おい、アレじゃねぇのか」というゾロの言葉に一味全員が一斉に視
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