番外28話『運命の分かれ道』
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どうすればいいんだろうか。
今から俺が青キジに戦いを申し込む? ルフィが既にこの状態で、しかも俺も体調が万全じゃないのに?
下手に戦いが長引けばそれだけルフィの命が危なくなる。一刻も早くチョッパーのところにルフィを連れていきたい。それに、今の俺じゃまず勝てない。弱腰になってるとかじゃなくて、そもそも体調が万全でも厳しい相手なのに、今の俺はちょっと本気で走っただけでもう筋肉が限界を訴えているという有様。下手に挑んで負けてしまったら単純に被害を増やすだけになる。
……くそっ。
内心で毒づく。
ルフィを助けなければならない。けど、手段がない。
――本当に?
どこかで感じたことのあるこの感覚。
無力な自分。
体が震えるくらいな焦燥感。
――ルフィを助ける?
「あっ」
思い出して、自然と声が漏れた。
この感覚を。
「っ」
首を振る。
けれど、それ以外に方法がない。
この方法をとるぐらいなら青キジに戦いを挑みたい。けど、そんなことをしてる時間すら惜しい。
「頼みがある!」
青キジへと正座した。
「……へー?」
少しだけ面白そうに呟いた青キジの言葉に、とりあえず話してみろという意味だと勝手に解釈させてもらう。正座して青キジを見上げていた頭を地面へと下げて、額を付ける。あまりプライドがある方とはいえない俺だけど、やっぱりこういうポーズってものすごく屈辱的で、悔しい。
「……何の真似だ?」
「決闘でルフィを殺さない代わりに――」
頭を下げたまま、今青キジはどんな顔をしてるんだろうか。一度だけ大きく息を吸って、そして吐き出した。
「――俺を! 俺が身代わりになる!」
「……」
これしか、俺には方法が思いつかない。
「……」
「……」
頭を下げていると、青キジが小さな空気が漏れる音が聞こえた。
笑った?
額を地面にこすりつけてるからわからないけど、たぶんそんな音。
「落ち着け、命まで絶つつもりはねぇ。つってもそのまま凍死する限りは知らねぇが」
「……え?」
次いで聞こえてきた声の意味がよくわからなずに、ほとんど反射的に頭をあげていた。青キジの顔を見つめるけど、残念ながらどういう感情の表情なのかは全くわからない。だから「え、なんで?」
自然と声が漏れていた。
意味が分からないし、もしかしたらルフィが助かるかもしれないし。多分、いろんな感情が混ざったせいだ。
「命を絶つのは造作もねぇが……借りがある。これでクロコダイル討伐の件をチャラにしてもらおうじゃないの」
借り? クロコダイルの件?
なんだそれ。。
ルフィはいつの間に青キジに貸しを作ってたんだろうか…
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