暁 〜小説投稿サイト〜
牙狼<GARO>―黄金の嵐(かぜ)―
第一章「失われた黄金」
#2、銀-Zero-
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「ふぅ・・・、すっかり遅くなっちゃったな・・・」
 真っ暗な夜道、早足で目的の場所へ向かう金髪の青年。彼の名は龍崎有斗(りゅうざき あると)、ごく普通の心理カウンセラーである。
 彼は仕事が終わった後、久しぶりに会った友人と一緒に飲み、帰路へと着いていた。早く帰って、シャワーを浴びて寝よう。そう思っていた矢先・・・、
「うん・・・?」
 ふと、何かガラスの割れる音がする。何だろう・・・。そう思って立ち止まり音のした方を見やる。
「ッ!?」
 それを見た有斗は息を呑む。何故ならば窓ガラスをぶち破り花嫁姿の女性が落ちていくのが見えたからだ。しかも見上げるほど高いビルからである。
 そこから落ちれば無論大怪我どころではないだろう。慌てて携帯を取り出し119に連絡をしようとしたその時だった。
「あれは・・・」
 落ちていく花嫁とは相対的に上っていく銀色の光が見えた。赤い、紅蓮の炎に包まれた銀色の光を。
 その銀色の光は花嫁とぶつかりそのまま花嫁を両断した。だが、なおも上り続ける。高く高く。そして、窓ガラスが破られた所に近づいた瞬間その光は消えた。
「何だったんだ・・・あれは」
 現実離れした光景に有斗はただ呆然とするしかなかったのだった。

―12時間前・・・。

 その日、慎之介は大学の休みを利用して魔戒騎士の昼の業務に勤しんでいた。
「ふぃ〜・・・今日のノルマ終わりっ!コレだけすれば、ホラーは出てこないだろ」
「そうだね。お腹もすいたし『Task of Silver』で昼でも食べよっか?」
 ホラーが顕れるゲートの疑いのあるオブジェを封印する作業を終え、アンナが知り合いの魔戒騎士が営んでいる喫茶店で昼食をとろうと提案してきた。
「そうだな。そうと決まれば出発しんこー!」
「ナスのぬかづけー」
「・・・何か懐かしい掛け合いだな。それ」
「そうだね」
 顔を見合わせながら、笑いあう二人。はたから見れば、カップルに見える構図である。もし、魔法衣を着ておらず普通の格好であるのならば、間違いなく周り(特に恋人の居ない男性、女性の皆さん)から嫉妬の目を向けられていただろう。
『・・・お前等、つきあったらどうだ?ってか結婚しろ』
 そんな二人に、ザルバはボソリと呟くのだった。

Side ミサト

 ここ最近、あの男の事ばかり思い出す。・・・それが、オレの最近の心情だったりする。
 あの特撮番組がそのまま現実世界にやってきたかのような出来事から1週間が経った。未だに、あの出来事が信じられなくて、夢なのか?と何度も思ったけど、鎌田先生が行方不明になったと聞き、やっぱり夢じゃなかったという事実を突きつけられる。
 真実を知っているのはオレだけ・・・、本当は鎌田先生は化け物になって倒されたんだって。だけど話した所で信じ
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