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しく」

「は、はぁ」

 やたらと策士の部分を強調してくる城乃内への反応はそれなりに、3人はケーキを選ぶ。
 値段は少々張ったものの、なるほど、確かにそのケーキは人気店の風格とも呼べるような気品を纏っていた。

無論、味も値段に見合う…いや、値段以上のものであり、未央などは「自分へのお土産」と称していくつかテイクアウトしたほどだ。

「へぇ〜じゃあウッチーと凰蓮様も元ビートライダーズなんだ!」

「凰蓮様すっごく強そうですもんね!」

「でもビートライダーズの本業ってダンスだよね? 凰蓮様踊れるの?」

「そもそも、ワテクシは正確にはビートライダーズとは違いましてよ。
紛い物は本物を曇らせる…ワテクシはこの子たちに本物のパッションを教えてあげただけに過ぎませんわ」

「よく言うよ…」

「あーら、何か言って?
それとアータたち、どうしてワテクシだけ
「様」付けなのかしら?」

「いやぁ、だって…ねぇ?」

 凰蓮が悪人でないのは分かるのだが、流石にこれだけ強面の男性に…それもオネェ口調で話しかけられれば、慇懃になってしまうのも無理はないというものだ。

「ふぅ、お腹いっぱいです」

「卯月のケーキちょっと大きかったもんね。
なんなら、ちょっと外でも散歩してきたら?」

「そうですね。この後はお仕事もありますし…じゃあちょっとそこまで行ってきます!」


***


 光実は広場にいた。そこに、光実以外の人影は見当たらなかった。
 あるのは、壁一面に乱雑に貼り付けられた探し人の張り紙だけ。
 ユグドラシル大災害と呼ばれる大災害。
 壁一面に貼られたそれらは…いや、そもそもこの町そのものが、その爪痕のひとつと言えるだろう。
 張り紙に目を見やると、光実の見知った名前もいくつかあった。

『葛葉鉱汰
元チーム鎧武メンバー
ずっと連絡が取れません。
×××-○○○-△△△』

 光実の心臓がドクンと音を立てた。
 無言で張り紙に背を向け、歩を進める。
 とてもその場に留まることは出来そうになかった。

『ああ許す…! だからお前も許してやれよ…今日までの自分の過ちを――』

「(…鉱汰さん。僕は本当に許されてもいいんでしょうか――)」

 瞬間。奇妙な感覚に襲われた。――そして、その理由はすぐに分かった。

「そんなはずがない。
お前は友を裏切った愚か者だ。許されるはずがない」

「お前は…デュデュオンシュ!?」

 光実の目が見開かれた。
 それはかつて自分と共に鉱汰を襲い、そして自分の目の前で倒されたオーバーロードインベスに違いなかった。
 デュデュオンシュの姿が歪み、やがて別の姿へと形を変える。

「そもそもお前は何
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