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Transform! And we go ahead to the tomorrow…
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ダーズに復帰されたとお聞きして…彼ならば彼女たちにとっても良い刺激をになってくれるのではないかと」

「…申し訳ないが、彼は既に引退した身なので、今回は」

「そう、でしたか…。
こちらこそ申し訳ありません。無理なお願いを言ってしまいました」

 言葉とは裏腹にプロデューサーは少し落胆した表情を見せる。
 そんなに付き合いの長いわけではないが、卯月にはその表情がとても珍しいものに感じられた。
 プロデューサーをこんな表情に出来る葛葉鉱汰とは一体どんな人物なのだろうか。

「プロデューサーさん、その人って…」

「それより、今は仕事の話をしましょう。まずはステージの件ですが…」

 またも卯月の言葉を貴虎が遮る。
 彼は複雑な表情を浮かべていた。この葛葉鉱汰に関する話をまるで避けているかのような態度だった。
 よく見れば、貴虎の他にもザックや他数名のビートライダーズも同じような表情をしていた。

「失礼。三人は、申し訳ありませんが打ち合わせが終わるまでは待機という形でお願いします。そう遠出しないようでしたらどこかへ行かれても構いません」

「はい! じゃあ私たち、さっきのお店で待ってますね!」


***


 洋菓子店シャルモンは沢芽市の女性を中心に人気の店である。
 決して安い値段ではないものの、確かな商品の品質と、店員の丁寧な対応で、今や沢芽市でその名を知らないものはいないほどの人気店である。

 しかし、シャルモンが人気店になった理由にはガイドブックには決して載ることの無いもうひとつの隠れた理由があった。
 それは…

「あー、いらっしゃーい。
凰蓮さーん、なんかお客さんですよー」

「ンバッカモォーン!!
お客様の前でなんて口の聞き方!
それとお店ではワテクシのことはパティシエと呼びな・さ〜い!」

「いってぇ! つぁ〜…」

 日夜店長と店員によって繰り広げられる、どつき漫才である。
 店に入ってわずか数秒の出来事に、三人はいきなり言葉を失ってしまった。

「失礼いたしました、お客様。
ワテクシ、この店でパティシエを務めております。 凰蓮・ピエール・アルフォンゾと申しましてよ。 Merci d&;avance(よろしくお願いします)」

「こ、こりゃご丁寧にどうも」

「こ、こんにちわ…」

「(なんだか個性的なお店ですね、凛ちゃん!)」

「(個性的すぎる気もするけど…) 」

 尻込みする三人を置いて、凰蓮と名乗る屈強なオカマは、痛みのあまり座り込んでいた店員の後ろ襟を掴んで無理やり起立させる。

「それで、こっちの坊やはパティシエ見習いの…」

「つぅ〜…、んっ、おほん! 俺は城乃内秀保。まっ、天才策士ってことで、ひとつよろ
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