男の甲斐性C
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し、お礼の手紙を認めた方が良いかもしれませんね」
ニッコリと微笑むフローラを、悔しそうに目を見開いて見詰めるデボラ義姉さん。
この勝負、我妻にあり!
アンディーSIDE END
(グランバニア城)
ビアンカSIDE
デボラの妊娠騒動から数週間……
ルドマンさんからの手紙と共にフローラさん・アンディーさん夫妻からの手紙がリュカの下に届いた。
その中にはなんと……デボラからの手紙まで入っていた。
「あの娘がリュカに礼状を出すなんて驚きね」
私達夫婦の私室に持ってきたデボラからの手紙を見せられ、正直な感想を述べる。
「さて……まだ中身を読んでないから、礼状だとは言い切れないよ(笑)」
そう言うと唯一未開封だったデボラの手紙を開封するリュカ。
「……で、何て書いてあるの?」
開封後A4サイズの便せんに目を移し、苦笑いをする夫に催促をする。
その言葉に苦笑いを強くし、私にも書面を見せ付けるリュカ。
そしてそこには……
『Thank you』
とだけ書かれてる。
「そ、それだけ……?」
A4サイズの便せんに、小さく“Thank you”だけよ!
礼だと言うのは解るけど、それで良いと思ってるのあの娘は!?
「デボラらしいなぁ(笑)」
「らしいけど……そんな手紙じゃ出す必要性がないじゃない!?」
呆れた口調で私が言うと、
「フローラに出せと言われたんだろうね。そして出すか如何かを迷ったんだろう……迷った挙げ句出す事にして、その内容にも迷い果てたんだろうね。きっと彼女は、便せんを何十枚とムダにしたんだと思うよ」
そうかもしれない……
そうかもしれないけど、前後の挨拶文くらいは書いても良いと思わない?
そんな思いでリュカを見詰めてると……ぐしゃぐしゃっとデボラの手紙を丸め、手近な屑籠に投げ捨てるリュカ。
「ちょ……捨てちゃうの!? デボラが悩んで書き上げた手紙なのよ?」
「だとは思うけど、彼女も捨ててほしがってると思うよ。僕にこんな屈辱的な手紙を持ち続けられるなんて……絶対に嫌だと思ってるよ」
そう言って最高の笑顔を私に向けてウィンクするリュカ。
何で女心に聡いんだこの男は?
私の苦労は続きそうだわ……
ビアンカSIDE END
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