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リュカ伝の外伝
男の甲斐性C
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も言ってないのに、お義姉さんの態度だけで真実を察知してくれたよ」
「そうねアナタ。何時もの事ですけどリュカさんには感謝ですね……ねぇ姉さん?」
「……………」

僕とフローラはデボラ義姉さんを自宅(離れの自宅)に呼び、昨日のゴタゴタを語り出す。
デボラ義姉さんは他人に知られたくない心の内を、最も知られたくないリュカさんに知られてしまい、昨晩からすっごく不機嫌状態だ。

僕も最初は驚き戸惑いました……いきなりデボラ義姉さんに恋心を告白され、これまでも苛めが全て愛情の裏返しだったと知らされて、困り果ててしまいフローラに相談してしまった程です。

「でも私、お父様がリュカさんの事を怪しんで呼び出した時から分かってました。彼なら事態を直ぐに察知して、私達を助けてくれるだろうって」
僕の妻は未だに彼の事を語る時、恋する乙女の表情をする。相手が相手なだけに、とても不安になります。

「まったく……パパが余計な事を言うから。って言うか、あの馬鹿の日頃の行いが悪い所為で、こっちにまで被害がきたじゃない! いい迷惑よ……」
「で、ですがリュカさんが来てくれなかったら、今なお騒動は続いてたんじゃないですか?」

「それでも内々で解決すれば良いだけの事でしょ!」
はぁ〜……やれやれだな。
思わずフローラに視線を向けたが、妻も僕と同じ様に“やれやれ”といった表情をしている。

「姉さん……それでもリュカさんに助けられたのは事実ですよ。我が家は何度もリュカさんに助けられてるんですから。リュカさんが居なければ、サラボナはブオーンに滅ぼされてたでしょうし、私もアンディーと結婚出来なかったんですから」

「そん時は私がお婿に貰ってやってたわよ!」
「それは無理ですお義姉さん。今ならばお義姉さんの気持ちも知る事が出来たし、如何なってたか分かりませんが、以前でしたら泣いて許しを得てましたよ」

「ムカつくわねアンタ……大体リュカがあの時に私を選ばなかったから、こんな状況になったんじゃない! 選りに選ってあんな田舎娘を選ぶなんて……アイツ何一つ助けてないわよ!」
「そんな事ありませんよ、あの時リュカさんが姉さんを選んでいたら、私は姉さんを嫌いになってました。本当に感謝に絶えません」

この姉妹がする独特の姉妹喧嘩だ。
結婚当時はこの喧嘩をされると如何して良いのか判らず唯々狼狽えてたけど、今では慣れた所為か微笑ましく眺める事が出来る。

「姉さん。リュカさんに手紙だけでも(したた)めた方が良いですよ。直接は言えないでしょうし、言う訳にも参りませんから」
「必要ないわよ、あんな馬鹿に礼なんて!」

「いえ姉さん。手紙を(したた)めるだけで、お礼を言えとは言ってません……ですが姉さんの言う通り、今回はとてもお世話になったのだ
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