ターン22 鉄砲水と手札の天使
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像もつかないがなんだか妙に様になっている動きで、クイックイッと指を動かす彼女が見えた。
………え、嘘。もう終わり?いくらカード引けない先攻だからって、ホントに何もなし?事故ったんならいいけど、ここまで何もないとかえって不気味だ。
「調子狂うなあ……」
とはいえ、僕だってもうデュエルアカデミアの2年。こんな盤面で何を警戒すればいいかはわかる。それはずばり、冥府の使者ゴーズだ。奴の特殊能力は、フィールドで何もない状態でダメージを受けた時に特殊召喚してそれが戦闘ならダメージがそのままステータスになるカイエントークンを生み、効果ダメージならそのダメージをこっちにも押し付けることだ。
その攻撃に対処する手は、もうこの手札に揃っている。動きを脳内で軽くシュミレーションしてから、もう一度手札を確認して動き出す。
「水属性モンスターのシャーク・サッカーを召喚して、そのままリリース!こうすることで手札のシャークラーケンは特殊召喚できる」
シャークラーケン 攻2400
「バトル、シャークラーケンでダイレクトアタック!」
シャークラーケン 攻2400→無口な少女(直接攻撃)
無口な少女 LP4000→1600
『………っ!』
やっぱりお出ましか。大方の予想が当たり、シャークラーケンの攻撃をトリガーとして彼女の足元にぽっかりと深い穴が開き、冥府の階段を上って二人の使者がフィールドに乱入してくる。
冥府の使者ゴーズ 攻2700
冥府の使者カイエントークン 攻2400
だけど、その展開は予想済み。僕の手札にはフィールド魔法、ウォーターワールドがある。これを使えばシャークラーケンの攻撃力は2900まで上昇し、2体の使者でも突破できないほどの火力を手に入れることができる。あえてメイン1ではなくメイン2に使うことで、戦闘ダメージと同じ攻撃力になるカイエントークンをすり抜けるのが僕の狙いだ。
『……』
そんな思いを見透かしたように軽く笑う彼女。手札からさらに1枚のカードを見せ、それをモンスターゾーンに置く。しまった、そのカードも持っていたのか。トラゴエディアは戦闘ダメージに反応して手札から出てくるモンスターで、手札の枚数によって変動するステータスを持つだけでなく墓地のモンスターを利用してレベルを変動させる効果と、手札のモンスターを利用して相手モンスターを洗脳する効果を持つ。一瞬嫌な予感もしたが、まさかだからといってウォーターワールドを発動しなければゴーズに一方的にやられてしまう。
トラゴエディア 攻?→1800 守?→1800
「メ、メイン2に移ってフィールド魔法、ウォーターワールドを発動。カードを2枚セットして、ターンエンド」
シャークラーケン 攻2400→2900 守
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