ターン22 鉄砲水と手札の天使
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あるいは。
「まだ諦めないよ!ドロー!」
恐る恐る引いた、そのカードは。
「……来た!速攻魔法、帝王の烈旋を発動!このカードは相手モンスター1体をリリースして、モンスターをアドバンス召喚できる!もう一回力を貸して、シャークラーケン………これで終わらせるよ、霧の王」
霧の王 攻0→2400→2900
『………』
「シグナル・レッドに攻撃……楽しかったよ、ミスト・ストラングル」
霧の王 攻2900→工作列車シグナル・レッド 攻500
無口な少女 LP1900→0
「ふー……」
『……』
かなりギリギリだったけど、どうにか勝利。よかった、これで生きて帰れる。そろそろ足の調子も良くなってきたし、地震の原因も突き止められた。ぼちぼち潮時だろう。
「じゃあ、またね」
『………ッ!!』
別れに手を振ると、思わずといった風にこちらに手を伸ばす。だけどなぜ手を伸ばしたのかは自分でもよくわかっていないらしく、その姿勢のまま不思議そうに首をかしげる。これはもしかして、いけるだろうか。せっかく助かった命を無駄にするような行動かもしれないことは百も承知だったけど、それでも声を掛けずにはいられなくなり、こちらからも手を伸ばす。
「ねえ、幽鬼うさぎちゃん」
『……?』
「僕は今、どうしても強くならなきゃいけない理由があるんだ。勝って、僕の友達を、皆を元に戻したい。だから、1つ頼みがあるんだけど。僕と、一緒に来てくれない?」
『………』
「ダメ、かな」
『……』
一瞬目を伏せて迷いを見せたのちに、僕の差し出した手を握った。ほんの一瞬だけこれまで見たこともないほど柔らかい笑みを見せて、彼女はカードになった。
「これからよろしく、幽鬼うさぎちゃん。あ、そうだ、おにぎり食べる?」
『………!』
パッとカードから出てきてこくこくと頷き、無表情ながら嬉しそうに残りのおにぎり1個を頬張る。そんな嬉しそうなら、こっちも作ったかいがあるってもんだ。デッキの中にゴーストリック・フロストに次ぐ新しい仲間を入れ、外を見上げる。普通によじ登るのは大変そうだけど、ダークシグナーになれば余裕だろう。チャクチャルさんの力を引き出そうとして、初めて異変に気が付いた。
『マスター………すま、ないが今は……くっ』
「チャ、チャクチャルさん!?一体何があったのか、いい加減僕に教えてよ!一人でぶっ倒れてちゃなにもわかんないよ!」
数時間ぶりにチャクチャルさんの声が聞けてほっとしたのもつかの間、その声に込められた異様な衰弱にぞっとする。まるで、全身の力が吸い取られているような……。
「誰!?一体誰がこんなこと!」
『奴が、奴が私の、力を………だが、よせ、マ
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