暁 〜小説投稿サイト〜
紅葉
1部分:第一章
[2/2]

[9] 最初 [2]次話
からな」
「それでですか」
「そしてこれもある」
 次に懐から五寸程度の小さな小太刀を出してきた。
「これがな」
「むっ、まさかそれは」
「そうじゃ。小烏丸」
 その小太刀を右手に見つつ周りの者達に告げた。
「これもあるからのう」
「それを持って来られたのですか」
「元よりこの国に鬼がおるのは聞いていた」
 小烏丸を見つつの言葉だ。
「それで持って来たのじゃ。鬼め、来るなら来るがよい」
 言葉にこれまでになく強い意志が宿る。
「私が成敗してくれるわ」
「左様ですか」
「しかしじゃ。今は鬼はおらぬ」
 一転して優雅な顔になる維茂だった。
「だからじゃ。ここは」
「宴ですな」
「そうじゃ。酒はあるな」
「無論です」
 明るい返事がすぐに返って来た。
「充分持って来ております」
「肴も」
「肴は何じゃ?」
「この辺りで採れた鳥です」
「鳥か」
「はい、山鳥です」
 どうも種類はよくわからないらしい。

[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ