―覇王―
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のモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与える、という効果もあるのだが……覇王の手札にモンスターカードはない。
そう上手くはいかないか――という思いをオブライエンは頭の片隅に追いやると、覇王の手札にあった二枚の魔法カードを確認する。一枚目は汎用ドローカード《貪欲な壺》。二枚目は……
「……《クリボーを呼ぶ笛》……」
デッキから、彼の相棒を特殊召喚する速攻魔法。覇王となった今でもデッキに投入されているのは、少なからずオブライエンを驚かせたものの、そんな感傷に浸っている場合ではない。
「《貪欲な壺》を捨ててもらう」
魔法カード故に追加ダメージはないものの、汎用ドローカードを捨てさせることが出来たのは、大いに意味がある。《クリボーを呼ぶ笛》については頭に入れておくが、この局面でかのモンスターを特殊召喚したところで、何が出来る訳もない。
「あとはお望み通り、攻撃してやろう! 魔法カード《一騎加勢》を発動し、バトルだ!」
スタンバイフェイズに発動された《バトルマニア》の影響を受けたモンスターは、《爆炎帝テスタロス》のリリース素材になったため、もうオブライエンはバトルフェイズを行う必要はない。だが、それでも《爆炎帝テスタロス》は攻撃表示でアドバンス召喚され、更なる魔法カードの支援を受けて攻撃体制に入る。
「《一騎加勢》は、自分のモンスターの攻撃力を1500ポイントアップさせる! 《爆炎帝テスタロス》で《E−HERO マリシャス・デビル》を攻撃、ヴォルカニック・ブラスト!」
ターン終了時までとはいえ、破格の上昇値をもたらす通常魔法カード《一騎加勢》。攻撃力を4300にまで上昇させた《爆炎帝テスタロス》の攻撃を受ければ、覇王と言えどマリシャス・デビルごと灰と化す。しかしオブライエンが注目していたのは、覇王のフィールドに残ったもう一枚の伏せカードのことだった。
《ヴォルカニック・バックショット》や《爆炎帝テスタロス》の効果ダメージを止めなかった以上、あの伏せカードはバーンメタのカードではない。ならば展開補助か攻撃を無効にするカードか、と考えていた瞬間、半透明の戦士が《爆炎帝テスタロス》の目前に現れた。
……が、伏せカードはピクリとも動かない。
「墓地から《ネクロ・ガードナー》を除外し、その戦闘を無効にする」
いつの間にか――《超融合》のコストか《魔力の泉》か――墓地に送られていた《ネクロ・ガードナー》により、大火力を誇っていた《爆炎帝テスタロス》の攻撃は不発に終わる。《バトルマニア》と《ナイトメア・デーモンズ》のコンボによる、このターンでの敗北は凌いだものの、依然としてオブライエンのフィールドにマリシャス・デビルは健在。
「……カードを一枚伏せ、ターンを終了」
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