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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―覇王―
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はや効果は終了し、効果の発動は一ターンに一度だけだ。

 そしてオブライエンは観察し、発見する。《ヴォルカニック・ハンマー》の効果を止めてみせた《ハネクリボー》と覇王の胸に、赤い綱のようなものが繋がっていることを。覇王の心臓部から伸びた綱は、同じくハネクリボーの人間で言うところの胸部へと繋がっており、生命共同体のような様相を呈していた。

「オレはリバースカード、《魂のリレー》を発動していた。手札のモンスターを特殊召喚し、全てのダメージを0とする」

 覇王が発動したのは、最後まで残っていた伏せカード《魂のリレー》。ノーコストで手札のモンスターを特殊召喚し、さらにそのモンスターがいる限り、全てのダメージを0にするという効果を持つ。ただし、そのモンスターが破壊された際に自身の敗北が決定する、という強大なデメリットを持つが。

 それをもって覇王は、《クリボーを呼ぶ笛》の効果で手札に加えた《ハネクリボー》を特殊召喚し、《ヴォルカニック・ハンマー》の効果ダメージを0とした。《ブレイズ・キャノン》を失ったオブライエンに、このターンで《ハネクリボー》を倒す手段はない。

「……ターン……エンドだ……」

「オレのターン、ドロー」

 オブライエンの決死の一撃が届くことはなく。無慈悲にも覇王へとターンが移行する。

「速攻魔法《バーサーカークラッシュ》を発動。墓地のモンスターを除外することで、ハネクリボーはそのモンスターのステータスを得る」

 最後に覇王が発動したのは、ハネクリボーのサポートカード《バーサーカークラッシュ》。墓地の《E−HERO マリシャス・デビル》を除外することで、《ハネクリボー》に悪魔のような鋭利な爪が発生していく。

「くそっ……」

 ……やっとの思いで《クレイジー・ファイヤー》で破壊しようとも、覇王はそれをただ利用するだけ……結局オブライエンは最後まで、覇王の手のひらで踊っていたに過ぎないのかもしれない。少なくともオブライエンは、そう感じざるを得なかった。

「バトル。《ハネクリボー》で《ヴォルカニック・ハンマー》に攻撃。バーサーカークラッシュ!」

「くそぉぉぉぉ!」

 覇王の命令とともに強化されたハネクリボーは爪を震わせ、オブライエンは無念の思いを堪えきれずに叫ぶ。しかしてその叫びが誰にも届くことはなく、ただオブライエンは悪魔の爪に引き裂かれる――

「……ハネクリボー……」

 ――ことはなかった。

 ハネクリボーの爪はまるでオブライエンを避けるように振るわれ、背後に強大な風圧を発生させる。そしてオブライエンは思いだす……この戦いはデュエルに勝つ戦いではなく、ジムの遺志を継いで十代を助ける戦いなのだと。

「……相棒!」

 オブライエンは、ジムから託された
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