―覇王―
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しており、このままがら空きの覇王に攻撃すれば、デュエルに決着がつく――という訳にはいかない。《クレイジー・ファイヤー》を発動したターンには攻撃出来ず、よしんば攻撃出来たとしても、覇王のフィールドには速攻魔法《クリボーを呼ぶ笛》がセットされている。
「俺は《クレイジー・ファイヤー・トークン》をリリースする!」
戦闘ダメージでの決着は出来ない。ならばこそ、オブライエンは新たなモンスターを召喚する。
「現れろ、《ヴォルカニック・ハンマー》!」
満を持してアドバンス召喚されたのは、先に召喚されていた《ヴォルカニック・エッジ》を巨大化させたような上級モンスター、《ヴォルカニック・ハンマー》。その炎の鉄槌を覇王に振り下ろす時を、今か今かと待ち望んでいる。
「そして墓地の《ブレイズ・キャノン・マガジン》の効果を発動。このカードを除外することで、デッキのヴォルカニックモンスターを墓地に送る」
《マジック・プランター》の効果によって墓地に送られていた、《ブレイズ・キャノン・マガジン》を最後まで発動しきると、更なるヴォルカニックモンスターが墓地に送られる。それと連動するかのように、《ヴォルカニック・ハンマー》が発する炎がさらに燃え盛っていく。
「《ヴォルカニック・ハンマー》の効果を発動! 墓地のヴォルカニックモンスターの数×200ポイント、相手ライフにダメージを与える!」
「…………」
――《ブレイズ・キャノン・マガジン》でヴォルカニックモンスターを墓地に送っていたのは、デッキの潤滑油や《ヴォルカニック・バックショット》の効果発動のため、ということももちろんある。だがオブライエンが想定していたのは、あくまでこの状況。墓地の大量のヴォルカニックモンスターに反応し、《ヴォルカニック・ハンマー》が発する炎の勢いが増していく。
「……終わりだ、覇王!」
そしてその火力は、どうあがいても覇王のライフポイントで防ぐことの出来る数値ではない。《ヴォルカニック・ハンマー》はオブライエンの指示に忠実に従うと、覇王にありったけの火力をぶつけていく。
「オレは速攻魔法《クリボーを呼ぶ笛》を発動!」
「無駄だ!」
覇王は最後に、伏せられていた速攻魔法《クリボーを呼ぶ笛》を発動する。しかしハネクリボーが特殊召喚、そして効果を発動したとしても、防ぐことが出来るのは戦闘ダメージのみ。
――なのに、何故。
「な、に……!?」
――《ヴォルカニック・ハンマー》が放った炎を、フィールドに現れた《ハネクリボー》に全て防ぐことが出来たのか――
「《ヴォルカニック・ハンマー》……」
オブライエンは信じられない、とばかりに呟いたが、何をしようと《ヴォルカニック・ハンマー》は沈黙したのみ。も
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