男の甲斐性B
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がって、噂を広げちゃ絶対にダメだよ。僕そんな奴は、たとえ妻でも大嫌いだからね」
ポピーSIDE END
(山奥の村)
リュカSIDE
困りました。
“たとえ妻でも大嫌い”と脅し文句を織り交ぜて聞く事を諦めさせようと思ったんだけど……何処の世界でも他家の揉め事は知りたいらしく、我妻の尋常ならざる瞳の輝きが眩しい。
ビアンカに期待されると断れないんだよなぁ……
喜ばせたくなっちゃうんだよなぁ……
チラリとこの話題を再燃させた娘に視線を向ける。
如何やら反省はしてる様で、申し訳なさそうな表情で軽く頭を下げる。
息子は未だに俺の不埒を疑ってる様で、無実ならば真実を話せと言わんばかりの顔をしてはる。
だから違ーっつてんのに……
嫁が疑ってないのが、せめてもの救いかな?
……仕様がない、話すか。
「結論から言おう。アンディーが父親だ」
そう、俺の予測が正しければ、デボラの子供の父親はアンディーだ。
何処から話して良いのか俺もいまいち分からんから、最初から話そう。
先ずデボラは幼い頃からアンディーに惚れてた。
しかし彼女はあの性格だ……素直に乙女チックな振る舞いが出来たとは思えない。
従って、デボラはアンディーに会う度に苛めてたんだと思う。
ここで1つの問題が発生する。
それはアンディーの性格だ……もう少し気の強い性格であれば、多少屈辱でも女の子のやる事として軽く流せるんだけど、奴には無理だろう。
さて……ここで更なる問題が発生。
そうです。無条件なまでの慈悲深さを撒き散らすフローラだ。
姉が苛めて泣いている幼馴染みに対し、優しく包み込む様に慰め続けてきた。
自分を苛める女が居る一方、自分に優しくする女が居れば、そりゃ惚れちゃうよ……優しくする女にその気が微塵も無くったって、男は惚れちゃうんだよ。
デボラも辛かったんだろう……苛めたくは無いのに苛めてしまう。その結果、惚れた男が自分の妹に惚れちゃったんだから。
デボラが世間で言われてる様に我が儘な女であれば、自分の妹を殺してでも惚れた男をモノにしようとするんだろうけど、彼女は本当は良い娘なんだ。
アンディーに惚れてても、妹の幸せを心から願ってるんだ……そして勿論、アンディーの幸せも。
……んで、出した結論が身を引くって事なんだよね。
アンディーはフローラが好きだから、絶対に妹を不幸にはしないと言い切れるし、大好きなフローラと結婚できればアンディーは幸せなんだろうからね。
これで目出度く話は纏まるはずだった……
奴等の父親が馬鹿じゃ無ければ、これで目出度し目出度しだったんだ。
でもあのハゲがね……余計な事をね……
『ワシの出す試練に合格出来た者には娘
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