第一部
第六章 〜交州牧篇〜
六十八 〜徐州へ〜
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っ、妙なものだな。
本来は味方となる筈の二人が、異なる陣営で協力し合う姿を見る事になるとはな。
「あら? 歳三、何かおかしいかしら?」
「……いや。然したる事ではない」
「そう。まぁ、いいわ」
さて、図らずも一働きする事となった。
やるからには、全力で行かせて貰うぞ。
勝負は、あっけない程簡単についた。
村を襲い、戦利品の事しか頭になかった賊に、精鋭揃いの我らに抗しようもない……それだけの事だ。
首魁以下、半数以上が討たれ、残りは武器を捨てて投降しようとした。
「華琳様、如何なさいますか?」
夏侯淵が訊ねるが、華琳は表情を変える事なく、
「秋蘭。言った筈よ、容赦は要らないと。全員討ちなさい」
「……御意」
「ただし、数人は生かしておきなさい。いろいろと聞きたい事もあるし」
その様に、朱里が顔を強張らせる。
恐らく、投降した者までも討つ必要はない、そう言いたいのであろう。
だが、今の朱里に発言権はなく、またそれは口にすべきではない。
それを察した愛里が、朱里の肩に手を置き、黙って頭を振った。
「殿。我らも……宜しいですな?」
私は、黙って頷く。
こうして、賊を討ち果たした我らは、徐州城に向けて進軍を再開した。
果たして、諸葛瑾は無事であろうか。
……朱里の為にも、そうあって欲しいものだが。
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